出棺、火葬場へ向かう際のマナーについて

出棺は

・葬儀・告別式を終えて出棺、火葬場に向かうケース

・葬儀の前に出棺、火葬場から斎場に戻って葬儀を執り行うケース

に分かれます。出棺が葬儀前になるか葬儀後になるかは、地域による違いに加えて火葬場のスケジュールなどによることもあります。参列者として出棺に立ち会い見送る際また親族として火葬場へ向か際の基本的なマナーについてご紹介します。

出棺

出棺の際は、ご遺族や親族の男性と葬儀社担当者が霊柩車まで運びます。斎場から運び出す時、霊柩車・寝台車に棺を乗せる時は、現世に戻ることのない故人の旅立ちという意味から、必ず故人の足元が先にくるように運びます。棺には位牌を持った喪主、遺影を持ったつながりが深い親族が続きます。棺が霊柩車に納まると、喪主または遺族の代表者が参列者に対して挨拶を行うことが一般的です。

 

参列者は見送りをするため出棺に先だって斎場の外に出ます。
葬儀が冬の場合は出棺を待つ間は寒さをしのぐために防寒着を着てもマナー違反には当たりません。棺が霊柩車に運ばれる間静かに見守り、霊柩車がクラクションを鳴らして動き出したら合掌または黙礼で最後のお見送りをします。

 

火葬場への同行について

火葬場では火葬が終わると遺骨を骨壺に納める「骨上げ」という儀式が執り行われます。

「骨上げ」の儀への参列は喪主・遺族・親族の他、特に故人と親しくしていた人に限られます。また、親族のなかでも数名が留守役として斎場に残ることもあります。斎場に残った者は、式場の片づけ、ご遺骨を迎える準備、火葬場に向かった遺族の荷物を預かるなどをする場合があります。

 

一般参列者でどうしても火葬場で最後のお別れをしたいという場合は、事前に喪主・遺族に申し出て許可を得るようします。ご近所づきあいの親密な地域では、自治会などが火葬場に同行する場合もあります。遺族、親族以外に火葬場へ同行する人をまとめ、霊柩車に続くどの車に乗るかなども事前に決めておくと、出棺、火葬場への出発がスムーズになります。

 

火葬場への搬送について

故人が乗った霊柩車・寝台車の助手席には位牌を持った喪主が座ることが一般的です。
遺族が乗るバスやタクシー、自家用車が霊柩車に続き、火葬場へ向かいます。
タクシーやマイクロバスに乗る際は、故人と関係の深い人から乗り込むようにします。
喪主、僧侶(同行する場合)、遺影を持った遺族代表、血縁の濃い順となります。

 

斎場から火葬場までの道のりに故人にゆかりが深い場所があり、そこを通って火葬場に行きたいという場合は、葬儀社や霊柩車の運転手に可能であるか事前に問い合わせましょう。

「斎場から火葬場へ向かう道順と火葬場から斎場へ帰る道順が重ならない様にする」という古くからの慣習があります。これは葬儀・告別式にまつわるもので、同じ道を通ると「故人の霊が戻ってきてしまう」ということから「故人の霊が迷うことなく成仏できますように」という祈りの心からの慣習とされています。

 

火葬場での流れ

納めの式

火葬場に到着すると棺が炉の前に安置され「納めの式」が執り行われます。
僧侶の読経・焼香に続いて故人に血縁の深い喪主、遺族から焼香をします。棺の小窓を開けて故人との最後のお別れをすることもあります。

火葬

火葬には1時間から2時間ほどの時間がかかります。
火葬場係員から連絡が入るまで控室で待ちます。

骨上げ

「骨上げ」では2人一組になって、2人でひとつの骨を竹箸で拾い上げ骨壺に納めます。

故人が「三途の川」を渡っていけるように、故人と縁の深い物が「はし(橋)渡し」をするという意味があります。

精進落とし

骨上げの後、葬儀会場・斎場に戻り初七日法要を済ませた後「精進落とし」の料理がふるまわれることが多くなってきましたが、事前に予約をしてある料理店などに火葬場から向かうケースの他、地域によっては火葬場での待機時間に「精進落とし」をすることもあります。

 

喪主の決め方・役割について

葬儀を執り行うには、葬儀の内容などをとりまとめて進行していくために喪主(もしゅ)となる人を決定する必要があります。

重要な役割となる喪主ですが、どのように決定し、どんな仕事をするべきなのかご存じでしょうか?

ここでは、しっかりと葬儀を執り行うことが出来るよう、喪主の役割についてお話ししていきたいと思います。

【喪主の決め方】

喪主を選ぶ際に、もっとも影響力をもつのが「故人の遺言」です。

故人の遺言で喪主の指定がある場合は、それに従って喪主を決定することとなります。

故人の遺言による指定がない場合は下記の3つを基準として決定するのが一般的です。

 

・一般的な慣習によって決定する

一般的な慣習では、故人の配偶者が喪主となるのがほとんどです。

昔は故人の後継者が喪主を務めるのが一般的でしたが、近年ではその考えも変わり、時代の変化や家族構成などから故人の配偶者が喪主を務める事が多くなってきました。

 

・血縁関係から決定する

故人の配偶者が高齢であったり、病気を患っている場合は喪主を務める事が困難となってしまいます。

その際には、血縁関係の深い方を優先するのが一般的です。

配偶者を除いて、親族の続柄を血縁関係の深い順に並べると下記のようになります。

  1. 長男
  2. 次男以降直系の男子
  3. 長女
  4. 長女以降直系の女子
  5. 故人の両親
  6. 故人の兄弟姉妹

 

・配偶者や血縁者がいない場合

故人に配偶者や血縁者がいない場合は、知人・友人・入所していた介護施設の代表などが喪主を務めるケースもあります。

この場合は「友人代表」や「世話人代表」と呼びます。

 

※喪主は1人とする決まりはなく、法律では祭祀継承者(家を祀る行事を受け継ぐ人)は1人と定められていますが、喪主は複数でも問題ありません。

 

【喪主の役割】

・葬儀全体の監督

喪主は葬儀に関する最終決定権を持っているため、葬儀の形式や日時・費用に関することを関係者と相談して決定する必要があります。

葬儀当日には、事前に決めたとおりに進行しているかを確認し、葬儀を円滑に進めることが出来るよう動きます。

 

・挨拶

喪主は通夜式や告別式など、様々な場面で挨拶を行う必要があります。

一般的には下記の場面で喪主として挨拶をします。

・ご僧侶が到着した時

・お布施を渡すとき

・会葬者に対して受付をするとき

・出棺時

・精進落としの席での開式、閉式時

 

・寺院への連絡

喪主は、お付き合いのある菩提寺に連絡をとり、日程の調整を行う必要があります。

特に付き合いのある菩提寺がない場合は、総日日程に合わせてご僧侶にお勤めいただけるサービスもあります。

 

・葬儀社を決める

葬儀社を決定する際も喪主が中心となって決定します。

亡くなった病院や施設で葬儀社を紹介してもらい依頼する事も可能ですが、葬儀費用が高い傾向にあるので、なるべく複数の葬儀社を比較し相談・検討してからの決定をお勧めします。

 

【喪主の挨拶について】

様々な場面で喪主は挨拶をすることとなりますが、どのような内容がふさわしいのでしょうか。

参考となるように、いくつか挨拶の例文をご紹介します。

 

・受付での挨拶

受付では参列者の挨拶に対してこちらも挨拶をかえします。

ここでのあいさつは簡潔にお礼を述べる事を意識すると良いでしょう。

「お忙しいところお運びいただきありがとうございます。ご丁寧に恐れ入ります。故人も喜んでいると思います。」

 

・出棺時の挨拶

出棺前の挨拶は、葬儀に参列してもらった事に対するお礼・生前お世話になったことに対するお礼など、感謝の気持ちを表すのが大切とされています。

 

「本日はお忙しいところ、父○○の葬儀にご会葬くださり誠にありがとうございます。

皆様から心のこもったお別れの挨拶を賜り、故人もさぞかし喜んでいると存じます。

生前中のご厚誼に厚く御礼申し上げます。

私どもは未熟ではありますが、故人の教えを守り、精進していく所存です。

今度とも個人同様、ご指導・ご鞭撻いただけますことをお願い申し上げます。

本日は誠にありがとうございました。」