弔電の基本的な送り方

予測ができない、ご親族や知人の葬儀は、体調不良やどうしても外すことができない予定で、欠席せざるを得ない場合もありますよね。

また、葬儀が「家族葬」であったり、2020年の新型コロナウィルス感染症拡大の影響などで、直接お伺いして、弔意をお伝えできない場合もあります。ここでは、そのような場合に知っておくと役立つ「弔電(ちょうでん)の基本的な送り方」について、ご紹介します。

弔電とは?

葬儀に参列できない時などに、故人様やご遺族にお悔やみの気持ちを伝える「電報」のことです。

NTTや郵便局、他にも様々な通信系の会社に申し込むと、先方に電報を届けてくれます。

送るタイミングなどのマナーは?

お通夜、お葬式、いずれに送っても構いませんが、一般的に葬儀・告別式で読み上げされるため、遅くとも式の1時間前までには届くように送るのがマナーです。

また、訃報などで弔電辞退の案内があった場合には、その意向を尊重し弔電を送ることは控えるのがマナーです。

※訃報で、弔電辞退の案内がなければ、家族葬であっても弔電を送っても問題ありません。

※訃報を直接受けていなくて、弔電に対する意向が不明な場合は、葬儀会場に確認を行うのも一つの手です。

具体的な申し込み先は?

NTTの場合は、「115」に電話をすると、オペレーターと内容を相談しながら決めることができます。午後7時までに申し込めば、全国当日中の配達が可能です。また、インターネットの場合は、24時間受付可能です。

NTT以外の場合、インターネットで検索すると、さまざまな申し込み先がヒットするので、サービス内容や料金を比較して検討しましょう。

申し込みに必要な内容

①弔電を受け取る方(主に喪主の方)のお名前(フルネーム)

※フルネームが、分からない時は「〈故人様のお名前〉さまご遺族さま」などの表記にします。

②お葬式の日時

③弔電の送り先の住所や、葬儀会場の名前

一般的な、申し込みの流れは?

①弔電のお届け先や、お届け日時を申し込みます。

※基本的に、お届け先は受け取る方の住所ではなく、お葬式を行う場所の住所のため、注意しましょう。

②弔電台紙を選びます。

台紙はメッセージカードのみのものから、刺繍されたもののほか、プリザーブドフラワーやお線香などがセットになったものなど、様々な種類があります。故人様との関係性や予算にあわせて選びましょう。

③お悔やみのメッセージを作成します。

色々な文例を参考に、オリジナルメッセージを作成しましょう。また、ご遺族を労う気持ちなどを添えるメッセージを付け加えるのも大切です。

④差出人の情報を入力します。

会社名や団体名なども記載すると、故人様との関係性がご遺族に伝わりやすくなります。また、住所も記載すると、より丁寧です。

※差出人名や住所の文字数も、電報料に含まれます。

⑤支払方法を選択します。

弔電を送る時は、突然やってきて、慣れないことだと思いますので、参考にしてみて下さい。

後飾り祭壇をいつまで置くのか?

葬儀、火葬後に納骨までの間、ご自宅へ戻った遺骨を祀るために、自宅に設置する祭壇を「後飾り祭壇」といい、他に「中陰壇(ちゅういんだん)」「自宅飾り」など様々な呼び方をされています。

そこで今回は、後飾り祭壇の用意の仕方や注意点や、宗教別に必要なものなどについて、ご紹介していきたいと思います。

後飾り祭壇、宗教ごとの違い

基本的には、どの宗教でも用意する後飾り祭壇ですが、納骨や埋葬までの期間のみ使用し、長期間使い続けるということは少ないので、簡易的なものが多いです。

しかし、その間、遺族が故人の冥福を祈るための大切な場所になり、弔問客がお参りをする場にもなる大切な祭壇です、それには宗教による違いもありますので確認していきましょう。

仏教の場合

仏教では、四十九日法要で納骨を行うのが一般的で、それまで使用します。

四十九日法要後は、仏壇に遺影などを飾りますが、仏壇の用意が間に合わない場合は後飾り祭壇を使用して構いません。

 

祭壇は、白木の二段または三段のものを用意しますが、それぞれの段に置くものに決まりがあります。

 

三段の後飾りの場合には、

一段目…遺骨・遺影

二段目…白木位牌

三段目…香炉・鐘・ろうそく・線香立て・供物

※二段の後飾りの場合には白木位牌を一段目に配置します。

 

ご飯やお水を用意して毎日取り替え、ろうそくに火を灯し、お線香は絶やさずにし、生花も枯らさないようにしましょう。

供物は、弔問客が持参したものを供えます、一定期間供えたら、傷む前に遺族が頂いても問題ありません。

浄土真宗では、仏教と異なり、故人は死後に仏になると考えられているので、ご飯やお水などの霊供膳はお供えしないことが一般的ですので、注意が必要です。

 

神道の場合

神道では、逝去してから50日後の五十日祭で納骨を行うのが一般的で、それまで使用します。

 

祭壇は、仮霊舎(かりみたまや)と呼ばれる白木で作られた8足で三段の祭壇を使用します。

 

一段目…遺骨・遺影

二段目…霊璽(れいじ)・榊(さかき)

三段目…三方(さんぽう)に入れた徳利・水玉・皿と玉串(たまぐし)と火立・供物

 

霊璽とは、故人の御霊を一時的に移すもので、仏教の位牌にあたるものです。

榊は、神道でよく用いる神様が宿る場所です。

供物は、洗米・酒・水・塩・榊・灯明をお供えします。

 

キリスト教の場合

キリスト教では、後飾り祭壇に特に決まりは無く、祭壇を使用する期間についても明確なルールはありませんが、一般的には、カトリックの場合は亡くなってから7日目の追悼ミサまで使用し、プロテスタントの場合には1ヶ月後の昇天記念日まで使用しています。

 

祭壇は、明確なルールが無いのですが、複数段ではなく、小さなテーブルや板い白布をかけるような、簡素な一段の祭壇を用意することが多く、飾るもの等すべてを同じ台に載せます。

十字架や聖書など信者がすでに所持しているものを飾るため、新たに用意するものは少ないです。

 

一段目…十字架・遺骨・遺影・聖書・ろうそく・生花・供物

 

キリスト教ではパンはイエスを象徴していると考えられているので、皿に載せたパンを供物として用意します。

 

後飾り祭壇を使用している間の注意点

一時的に使用する仮の祭壇ですが、遺族の気持ちの拠り所になり、弔問客がお参りをする対象になりますので、仏間もしくは、部屋の北側か西側に設置したり、お参りしやすい場所にしましょう、だだし、遺骨の状態を保つために、直射日光の当たらない場所を選び、水回りなど湿度の低い場所を選ぶ必要があります。

弔問客に配慮し、頂いた花や供物があればお礼を伝え、祭壇に置きましょう。

いつ来られても失礼の無いように、ろうそくや線香を絶やさないように気を配りましょう。

花は傷みにくい花を選び、仏教や神道の場合は菊、キリスト教の場合はカーネーションを用いるのが一般的です。

 

手配、処分の仕方

後飾り祭壇の手配方法により、処分の仕方が異なるので、しっかり確認してから手配すると良いでしょう。

 

1.葬儀社のセットプランの場合

セットプランにすでに含まれている場合があります、確認しましょう。

処分の仕方は、自治体のルールに従ってごみに出しますが、抵抗がある方は、葬儀社かお寺に相談しましょう、引き取って供養してくれる事もあります。

 

2.自分で製作する場合

段ボール箱を用いて自作されるケースも増えています、高さ50cmほどの段ボールに白い布を掛ければ完成です。

必ず2~3段にする必要はありませんし、簡単なので手間もかけずに出来ます。

段ボールですので、資源ごみに出して処分できます。

 

3.レンタル品を使用する場合

ごみとして処分することに抵抗がある方は、レンタル品を利用すると良いでしょう。

葬儀社が取り扱っている場合もありますから、レンタルの後飾りが含まれたセットプランがあるか確認しましょう。

 

まとめ

後飾り祭壇は、宗教によって飾る期間や仕度品が違いますが、故人の遺骨を安置し、遺族や弔問客が偲ぶ目的で使用することに宗教の違いはありませんし、凝ったものにする必要もないので、気負わずに、故人を思い、心を込めて後飾りの用意しましょう。