エンディングノートとは
エンディングノートとは、自分の死後、家族が判断や手続きの際に困らない様に、自分が生きている間に、遺族にとって必要な情報を書き残すためのノートです。ここ数年、葬儀社を始め、相続セミナー等でよく聞くようになったものの、「自分はしっかりと書いている」という人はまだまだ少ないのではないのでしょうか。
エンディングノートに書く内容
エンディングノートに書く内容として、どのような内容がふさわしいのか考えてみましょう。まず、自分の死によって、お葬式が発生します。遺族はまずどのようなお葬式をしたらよいのか、故人がどのようなお葬式の希望を持っていたのか、お葬式について何か備えはしていたのか、知ることができれば助かるはずです。生前、よくお墓や宗派・菩提寺・お葬式の話をじっくりと話していれば良いのですが、なかなか生きている時は、そのような話は避けがちです。それで、エンディングノートに書くということが意味を持つのです。
○終末医療について
延命治療を望むのかどうか。臓器提供をしたい希望があるかどうか。
○葬儀について
生前から葬儀社を決めており、積み立て等で準備しているのかどうか。家族葬などごく身近な近親者のみで執り行って欲しい等の葬儀に関する希望。菩提寺や僧侶等付き合いはあるのか、入るお墓があるのか新しくお墓の用意が必要なのか。また、生前親交のあった人などで、知らせてほしい人があれば、その名前の記載。
○一人暮らしの独居人であれば、家やペットに関すること
借家であれば、仲介不動産会社の名前と支店名(同じアパートでも各部屋によって仲介業者が違う場合があるので)の記載。持ち家であれば、ローンは完済しているのか残っているのか、団体信用生命には入っているのかいないのか。相続人の誰に相続させるのか、又は売却して処分して良いのか。残されたペットを誰に託したいのか。
○手紙を届けて欲しい人
自身の余命がわかっていた場合手紙を書いている場合があり、自分が亡くなったら、その手紙を届けて欲しい人がいるかどうかの記載。
○公開について
家族に秘密にしていたけれど、オープンにしたい事柄の記載。
(貸金庫に預けているものがある等)
○遺族に相続税が発生するかどうかの確認
遺族に相続税が発生するかどうか早くわかるように、土地等の所有不動産・有価証券・現預金・ローン返済残高等資産をしっかり把握してもらうため、プラスの資産とマイナスの資産を列記しておく。その際、加入している生命保険会社等も明記しておく。運用している資産があれば、それについても明記する。遺産相続に関する事は、エンディングノートには効力が無いので書かない方が良い。もめる元になりかねない。
相続に関することは、公証役場等で正式な遺言書を作成しておくのが良い。
○家族に向けてメッセージ
自分の死後、家族にどのように生きて行ってほしいか、例えば「家族仲良く助け合って生きて行ってほしい」等のメッセージを記す。
遺言書に書く内容
エンディングノートに書く内容が、概ね本人の希望や伝えたい事であるのに対し、遺言書は、特に公証役場等で作成されたものは公的に正式なものと見なされ、法的効力を持つので遺族の今後の生活にとって多大な影響力を及ぼします。そして、相続自体をスムーズに済ませるためには、後から秘密にしていたことが出て来るなどということがないようにしなければなりません。
特に遺族にとって明記してもらわなければならないことを中心に書かねばなりません。
例)
○実は秘密にしていたが、非嫡出子がいる。
○実は○○社から借金をしていた。
○実は、自宅とは別にもう一軒家や別荘をもっている。
○実は、銀行の貸金庫に重要なものを預けている。
○実は外国に口座がある。
○遺産の一部を相続権の無い誰々にも渡したい。
○遺産の分け方の意向。長男には○○。次男には○○等。
以上の事柄は、いずれも明記されていないと相続がスピーディーに進まず、長引くと遺族が困ることになるので、大変重要な事なのです。
近年の遺族の困り事
最近、遺族の困り事として増えて来ているのが、情報資産の処分です。スマホやパソコン等、本人しかパスワードを知らず、誰もロックを外せない為、初期化することも中の内容を見ることもできず、処分することもできないという遺族にとっては大変困った状況になることが増えてきています。
遺族の事を考えれば、パスワードの記載もエンディングノートに書いておいてあげるのが親切ですよね。人がひとり亡くなるというのは本当に悲しいことであると同時に、社会とのつながりが強ければ強いほど、その生涯の幕をきれいに閉めるのは容易ではないということです。
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