見直したい装いのマナー②~女性の準正装~

女性の準礼装

 

親族として参列するお通夜や葬儀、告別式の際に着用するのがマナーとされている服装です。一般会葬者でもお通夜を除き、葬儀や告別式で準礼装をするのが望ましいでしょう。正式礼装の喪服とは違い、多少流行の要素が入っているデザインのスーツなどを着用することもできますが、TPOに配慮した華美なデザインのものは避けるようにします。

どんなデザインでもスカートは膝が隠れるものを選びましょう。

  • 上着

ワンピースにジャケットを羽織るアンサンブルタイプでも、スカートとジャケットが別々のスーツタイプのものでも問題ありません。喪服に使われるような綾織の生地に限らず、黒色であれば生地はそこまでこだわらなくても問題ありません。多少であればレースやサテンなどを使っているものでも準正装として使うことができます。首元は詰まっているインナーを着用しましょう。

 

  • ボタン

スワロフスキーなどの装飾の意図が強いデザインは控えます。オーソドックスな、一般的な会社やリクルート時でも着用できる程度のものであれば材質などは問いません。

  • 生地

透け感のあるものですと華やかな印象になってしまいますので、綿や化繊が混紡されているような黒い生地のものにします。礼服として販売されているものは綾織りのものが多く、弔事と普段のスーツで兼用することはありませんが、準礼装であれば、生地にそこまで制限はありません。制限はない分、季節には適したものの方が参列する時に不自然にならないでしょう。春夏には裏地が無いものを選んだり、秋冬には厚めのウール素材を選んだりするなど、気候に無理のないように準備しておくといざという時に困りません。

 

  • バッグ

バッグは正式礼装の時と同じように、礼装用のバッグを持つようにします。小型で布製の、手提げのものかクラッチバッグのデザインが一般的です。ショルダーになるものや大きすぎるものなどは弔事の場では相応しいとは言えません。急なお通夜でバッグまで準備が間に合わない時は、例外とします。

 

  • ストッング

黒のストッキングを着用します。ラメが入っているものや、目につくデザインのあるものは控えましょう。喪服の場合は黒のストッキングですが、準礼装の場合は黒のストッキングまたは、肌色のストッキングでも構いません。タイツはカジュアルな印象を与えてしまうので避けます。パンツスーツの場合も靴を脱ぐことを考慮して、膝から下だけでも構いませんので靴下ではなく黒か肌色のストッキングを着用します。

 

ヒールが高すぎると華やかになり、無さすぎでもカジュアルな印象になります。ヒールが太くて5センチ前後の黒いパンプスを用意しておくと良いでしょう。シンプルな黒いパンプスは冠婚葬祭全般を通して使用することができます。

 

弔事の際の髪型と化粧

 

  • 髪型

肩に着く長さ以上のロングヘアは、低めの位置で束ねておきましょう。高めの位置でするポニーテールや、無造作なまとめ髪はカジュアルな印象を与えてしまいますので控えるようにします。

髪飾りはつける必要はありませんが、もし使用する場合は黒で光沢のない素材のバレッタなどに留めておきます。肩に着かないミディアムやショートヘアでも、ファッション性を重視せず華美にならないように心がけましょう。

 

  • 化粧

濃いアイラインや、ボリュームのあるマスカラなどは避けます。しかし完全にノーメイクが良いというわけではなく、ファンデーションとアイブロウは施しておきます。目立たない色の口紅も使用して問題ありません。グロスなど過剰に艶を演出するものは、弔事の場にはふさわしくありません。

最低限の身だしなみ程度にしておきましょう。

 

  • アクセサリー

結婚指輪以外はつけないというのが昔からの慣例ですが、最近では1連の真珠のネックレスやイヤリングなどは失礼には当たらないという考え方もあります。逆に正式礼装ではアクセサリーをするという考え方もあるほどです。白い真珠以外では、グレーや黒の真珠、オニキスなどの素材のものが礼装用に準備されていることもあります。2重や3重のものは、不幸が重なるとされ弔事には使用しません。

 

故人の近親者の中でも着替えの大変な高齢者、若い人は準礼装で参列することは失礼にはなりません。そのかわり、スカートの丈、靴やバッグなどは気をつけるようにしましょう。