女性の和装
昔は、嫁入り道具の一つとして準備して送り出されていた喪服としての和服。和服は1年を通して着用して良い生地や小物が違ってくるため、洋服よりも知識が必要となる一面もあり、喪服として着用する際も気をつけたいことがたくさんあります。また自宅で着付けができる人も減っており、和服でないとマナー違反になるということがないため、正式礼装も洋服が増えているのが現状です。
しかし、和服は畳んでおけば場所も取りませんし、体型も多少の変化には対応できますので、その適応性と最高礼服としての価値が改めて見直されています。
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着物
黒無地が基本で、染め抜きの五つ紋が正式礼装の着物です。冬は羽二重もしくは一越ちりめん、夏は駒絽もしくは平絽が使われるのが一般的です。紬や紗などはカジュアルになりますので使用されません。紋は実家の女親の紋か結婚した相手先の紋を入れます。半襟と足袋以外に白い布地が見えることはありません。
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襟元
塩瀬の白い半襟、夏は絽の半襟を使います。季節の概念は洋服とは違いますので、長襦袢と一緒に何月には何の素材を使うのか調べてから縫うようにしましょう。長襦袢は羽二重もしくは綸子の素材で全て白の無地です。襟を抜く時は普段のような抜き方をせずに、すり合わせて肌の露出を抑えるように気をつけましょう。
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帯
帯は袋帯で、黒の無地か紋織りが一般的です。柄が入る場合は、流水、雲取り、蓮、紗綾型などの字模様がうっすら入ることもあります。袋帯ですので二重太鼓の結び方ですが、お太鼓は小さめに控えめにして、黒の帯締め・帯揚げをします。帯締めは丸ぐけが正式とされてきましたが、最近では平織りのものも増えています。端の始末は下向きに整えましょう。装飾感が強くなりますので帯留は使いません。
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バッグ
布地で小型のクラッチバッグが一般的です。手提げタイプでも持つところが中に収納できるものですと、洋装の礼服に兼用できます。
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足袋
装飾の無い白の足袋を着用します。柄やワンポイントのものは使用しません。
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草履
バッグと同様に黒色で布地のものが良いですが、無地であれば皮革製品でも使用することができます。
和服における略礼装
薄い紫色やネズミ色、薄い茶色など色味を抑えた色無地の着物に、一つ紋か三つ紋で、黒の喪帯をします。着物の色味が地味でも、地模様がおめでたい意味を現すもの(熨斗、花車、糸巻文、檜扇などの柄)は避けてください。
和装の喪服と同様に、半襟と足袋は白で、それ以外の小物は黒に統一します。
地味な小紋の着物に一つ紋の羽織であれば略礼装に該当しますが、それを認知されている方が少なくなっていることもあり、敢えて略礼装のためにその装いにこだわる必要はありません。
冬の上着として地味な色のストールを使用する際は、ファーなどがついているものは控えましょう。
正式礼装に和服を着る人の制限
喪服に着物を持っているからと言って誰でも着ていいわけではなく、故人から見て三親等までと決められています。喪主、遺族、親族と世話役代表は同じ格の礼装をすることが多いです。
かなり親しかった親友や知人が喪服に着物を着用することもあります。
逆に一般会葬者で、ご近所付き合い程度の間柄で和装の正式礼装をするには格が高くなりすぎてしまうという意味です。
三親等の範囲で言いますと、故人の配偶者の父母、祖父母、子、孫、曾孫まで。またその立場にあたる人の配偶者、兄弟姉妹、甥や姪も三親等の範囲です。いとこは四親等ですが、生前の関係性によっては和装で正式礼装をする場合もあります。
髪型はショートヘアでしたらそのままでも構いませんが、結べるぐらいの長さのある人はまとめておくのが良いです。髪の毛が揺れるようなスタイリングは望ましくないと考えられています。化粧はファンデーションと眉毛、リップクリーム程度にとどめておきます。赤みの強いものやグロスのように艶のあるものは控えます。結婚指輪以外のアクセサリーは身につけないのがマナーです。
正装の中にも格があり、どの立場で参列するのかによって考えておかないと親族よりも格の高い正装となり失礼にあたることもあります。葬儀の場では自分を演出するためのファッションは控えて、訪問する意味と相手の気持ちを考えることを大切にしましょう。
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