近年ではお葬式の形も様々となり、埋葬方法もいろいろな方法で行われるようになりました。
海が好きだから海に散骨してほしい・・・。亡くなったら自然に還してほしい・・・。など、今までの埋葬方法とは違う選択をされる人も年々多く見られるようになってきました。
そんな埋葬方法の手段の一つとして「宇宙葬」というものが注目されているのをご存知でしょうか。
宇宙というスケールの大きさに驚いてしまう人も多いかと思いますが、海外では実際に行なわれている埋葬方法です。
そんな夢のつまった「宇宙葬」についてお話ししたいと思います。
【宇宙葬とは】
宇宙葬とは、遺灰を小さいカプセルに詰めて、人工衛星に搭載し一緒に宇宙へ打ち上げる散骨の一種です。
遺灰をつんだ人工衛星は、軌道を数か月~数年間周回した後、大気圏内に突入し燃え尽きてしまいます。
その様子が、輝く流れ星になって消滅するので美しいと話題となっており、「流れ星供養」とも言われています。
最近では、スマートフォンやタブレットで現在遺灰が宇宙のどのあたりを移動しているのか、位置を確認する事が出来るアプリも開発されており、打ち上げた後も宇宙での様子も見る事が可能です。
【宇宙葬(流れ星供養)の手順】
1.申し込み・代金の支払い
まず、宇宙葬の申し込みをし、代金の支払いを行いなす。
アメリカの会社を利用する場合は、基本的にクレジットカードの支払いとなるので、使用できるカードを確認しておくと安心でしょう。
2.届いたカプセルに遺灰をいれて返送
代金の支払いが完了すると、遺灰を入れるカプセルが届くので規定の量の遺灰を入れて返送します。
3.ロケットによる打ち上げ
カプセルを送り返したら打ち上げ予定日を待ちます。
打ち上げはアメリカで行われることとなりますが、現地のセレモニーに参加したり、その映像をリアルタイムで確認したりすることが可能です。
4.打ち上げ証明書の発行
打ち上げが無事に終了すると、打ち上げ証明書が発行されます。
打ち上げ場面を収めた動画や人工衛星追跡用のIDが提供される場合もあります。
【バルーンを使った宇宙葬】
カプセルをロケットに搭載して打ち上げる方法のほかに、バルーンで飛ばすという方法で行う宇宙葬あります。
遺灰を大きな風船の中に入れて、それを空に向けて放つ事で故人とのお別れとなります。
バルーンの場合、高度30㎞~35㎞付近(成層圏)で気圧の関係によって3~4倍に膨張し、やがて宇宙へと散骨されます。
【宇宙葬の金額】
宇宙へ打ち上げると聞くと、高額な印象をもってしまう人も多いと思いますが、リーズナブルである事も宇宙葬が話題となっている理由の一つです。
カプセルで打ち上げる宇宙葬(流れ星供養)の価格は約30万円となっており、お墓への埋葬に比べて費用が抑えられるので、宇宙への憧れをもつ人にとって魅力的です。
【自然環境に悪影響は?】
宇宙葬を行うにあたって、疑問となってくるのがゴミによる悪影響です。
宇宙葬では、ゴミについて細心の注意を払っているので問題ないとされています。
バルーン葬では、100%天然ゴムを使用しており、日光や水によって分解されるように作られるなどの工夫がされています。
ロケットによる打ち上げも、遺骨か入ったカプセルは軌道に乗ると、カプセルを載せている人工衛星が流れ星となって完全に消滅するので、環境への悪影響はないとされています。
一見すると夢のお話のような「宇宙葬」ですが、内容を見てみると現実的になってきます。
神秘的な宇宙に埋葬されるという事に、魅力を感じる人も多いのではないでしょうか。
最後は流れ星になるという考えもとても美しく、話題となっているのもうなずけます。
今後宇宙葬を希望する人が増え、日本でも多くの人が利用する時代も近いように思えます。