友引に葬儀は避けるべき?葬儀と六曜について

葬儀を行う時に、仏滅や友引など「六曜」を気にする方もいると思います。昔からの風習として重視する方も多い六曜ですが、突然に訪れる葬儀においては日取りを選ぶ余裕がない場合も有ります。中でも日程を考える時によく耳にする友引。今回は葬儀と友引に関する話や葬儀と六曜について紹介します。

六曜とは

六曜(ろくよう)とは中国歴の陰陽五行説に基づく考え方です。先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口の6種を吉凶日に分けたもので、六輝(ろっき)とも呼ばれます。旧暦各月の朔日に当てはめられ、正月と7月は先勝、2月と8月は友引、3月と9月は先負、4月と10月は仏滅、5月と11月は大安、6月と12月は赤口とし、2日以降は六曜の順に従って割り当てられます。それぞれの意味は次のとおりです。

・先勝(せんしょう・さきかち・せんがち・さきがち)

「先ずれば即勝つ」からきており、何事も早く行うよう促しています。午前中が吉、午後が凶です。

・友引(ともびき)

本来は「共引」と書き、勝負事がつかない日という意味でした。六曜が日本で流行した際に陰陽道の「友引」と混同したため「友人を引き込む」という意味で普及したといわれています。

・先負(さきまけ・せんぷ・せんまけ・せんぶ)

先勝の逆で、午前中が凶、午後が吉とされています。「先ずれば負ける日」という意味で争いごとを起こすのは良くないとされています。

・仏滅(ぶつめつ)

六曜の中で最も大凶日とされています。本来は「物滅」とされていましたが、仏教と混同し「仏も滅びるほどの日」という意味になりました。

・大安(たいあん)

「大いに安し」とされ、1日を通じて吉日とされています。慶事はもちろんのこと、引っ越しや起業など物事を開始するにも良い日とされています。

・赤口(しゃっこう・せきぐち)

正午とその前後のみが吉、それ以外は凶の日です。法事は吉とされています。本来は陰陽道の「赤舌口」に由来しており、仏滅の次に凶です。

 

葬儀と六曜の関係

六曜は仏教用語と捉えられがちですが、宗教との関連はないため、葬儀に関して六曜を気にして行う必要はありません。仏教だけでなく神道やキリスト教とも関係ないとされています。お釈迦様は「如来の法の中に吉日量辰を選ぶことなし」と説いていますし、浄土真宗の親鸞も「吉凶や占いに左右されるのは悲しいことだ」と和讃で説いています。

しかし、親族や参列者によっては友引は嫌がる方もいますので、トラブルなどが無いようにしましょう。

友引の葬儀はなぜ避けられるの?

葬儀の日取りで避けられる六曜として、昔から「友引」があります。これは、上記でもご紹介したとおり、もともと「共引き」いう引き分けの意味ですが、日本で六曜が流行した際に「友引」という友人を引き込むという意味と混同して広まったためといわれています。葬儀においては、故人が友人も一緒に冥土へ連れて行くことを連想させるため、葬儀の日程として避けられるようになりました。

また、火葬場や葬儀場が休みの場合が多いことも、友引に葬儀が行われにくい理由に挙げられます。宗教と六曜は無関係ですが、上記の迷信が信じられている為に休みにしている場合もあるようです。

 

友引に葬儀を行う際の注意点

葬儀の日程を決める際、六曜は気にしなくて良いと分かっていても、ご親族や参列者の中には気にされる方が多いのが現状です。都合上友引に葬儀をする場合、注意点として次の点を知っておきましょう。

・参列者への考慮

友引に葬儀は避けるという習慣はまだ広く普及している為、喪主や遺族は良くても、参列者の方がどのように思われるかという点も理解しておくべきでしょう。ご家族のみならず、多くの方が参列するお葬式では、お越しいただく方のお気持ちを考慮し、避ける場合もあります。特にご年配の方は六曜を気にされる方もいるので、親戚などにも了承を得た上で決めましょう。

・葬儀を一日ずらす

日程が可能であれば、葬儀を一日ずらすこともできます。その際は、通夜の前日に仮通夜を行い、通夜を2日行う場合が多いです。通夜では火葬をしない為、友引を気にする必要がありません。通夜は本来「遺体を守る」こととしており、浄土へ送ることではない為、友引を気にする傾向はほとんどありません。

・友人形を棺に入れる

友引に葬儀を行う場合「友人形」という身代わり人形を棺に入れることもあります。関西で見られる風習の一つで、故人が友人を浄土へ引き連れていかないように、身代わりとして入れる人形です。「しきま人形」とも言われます。木彫り人形や、人を模った紙、おもちゃの人形など、形状には決まりはありません。

 

葬儀と六曜の関係、特に友引についてご紹介しました。六曜は仏教だけでなく、神道やキリスト教とも無関係で、葬儀の日程において六曜は特に気にしなくて良いです。しかし、人それぞれの考え方やお気持ちがあります。葬儀と六曜の関係を知り、遺族も参列者も落ち着いて故人とお別れができる様に考えましょう。