参列者への返礼品について

喪主・遺族は、通夜や告別式、葬儀への参列者に感謝の意を込めて「返礼品」を渡すことが一般的です。参列者への「返礼品」を渡すタイミングとは?どのような品を贈れば失礼にならないのかなど、喪主・遺族のマナーとして返礼品についてご紹介しましょう。

「返礼品」の種類とは?

参列者への返礼品にはいくつかの種類があり、それぞれに返礼品が持つ意味合い、渡すタイミングが異なります。

 

<返礼品① 通夜返礼品>

「通夜返礼品」は、通夜式への弔問へのお礼として、会葬礼状とともに渡す返礼品です。地域によっては通夜の後、食事や飲み物を頂きながら故人を偲ぶ時間「通夜振る舞い」に参加されなかった弔問客にお渡しする品物を「通夜返礼品」とする場合もありますが、近年では通夜振る舞いへの参加の有無に関係なく、全ての参列者にお渡しすることが一般的です。品物の具体例としては500円から1000円程度の予算で、日本茶、コーヒー、紅茶、海苔などの食品を選ぶことが多くなっています。

 

<返礼品② 会葬返礼品>

「会葬返礼品」は葬儀・告別式の参列者に、会葬礼状とともに渡す返礼品です。会葬返礼品は弔問への感謝の気持ちを表す品物ですので、香典の有無にかかわらず全ての参列者に渡します。品物の具体例としては通夜返礼品と同様500円から1000円程度の予算で、日本茶やコーヒーなどの食料品に加えて、タオルやハンカチなど日常的に使える品物が選ばれることもあります。通夜式、告別式のどちらにも参列頂く方があるため、通夜式、告別式の返礼品は違う品物を選ぶことが一般的ですが、近年ではどちらにも同じ品物を準備するご家庭も少なくありません。

 

<返礼品③ 香典返し>

「通夜返礼品・会葬返礼品」は香典の有無に関係なく弔問へのお礼として渡す返礼品ですが、「香典返し」は香典を頂いた参列者のみに、香典のお礼として渡す品物です。「香典返し」は通夜・葬儀の場で行うものではなく、服喪期間を終えたことをお知らせする「忌明け報告」と共に行うのが一般的です。忌明け法要や忌明け祭事後、2週間程の間に香典返しをお届けするようにしましょう。「四十九日」「満中陰」「七七日」と呼ばれることもある「忌明け」までの日数は、故人の宗教によって異なります。

 

・仏式の場合

故人が亡くなられてから49日目が忌明けとなります。
「忌明け法要」「四十九日法要」を執り行います。

・神式の場合

故人がなくなられてから50日目が忌明けとなります。
「霊祭」を執り行います。

・キリスト教式

キリスト教の場合は香典返しではなく忌明けのご報告と共に贈り物をする習慣があります。ご報告と贈り物をするタイミングは、カトリックとプロテスタントで異なります。

カトリックの場合-故人が亡くなられてから30日目の追悼ミサ後

プロテスタントの場合-故人が亡くなられてから1か月後の召天記念式後

 

香典返しの相場として香典の「半返し」という言葉もありますが、一般的には香典の半分から3分の1をお返しします。香典返しには「不祝儀を後に残さないように」という願いから、食べ物や洗剤など「食べてなくなる物」「使ってなくなる物」を選ぶご家庭が多くなります。また「悲しみを包み込む」「不幸をぬぐい去る」ということから、タオルや風呂敷が選ばれることもあります。

 

近年増加している返礼品事情から

近年では、葬儀・告別式の当日に「香典返し」に当たる品物をお渡しする「即日返し」をするケースも多くなっており、香典を頂いた全ての参列者に対して同じ品物をお渡しします。即日返しの品物として3000円程度の品が準備されることが多くなっています。高額な香典をご持参頂いた場合には、頂いた香典に見合うような香典返しを忌明け後別途行う必要があります。その場合は、商品券やカタログギフトなどを選ばれることも多くなっています。