喪主の決め方・役割について

葬儀を執り行うには、葬儀の内容などをとりまとめて進行していくために喪主(もしゅ)となる人を決定する必要があります。

重要な役割となる喪主ですが、どのように決定し、どんな仕事をするべきなのかご存じでしょうか?

ここでは、しっかりと葬儀を執り行うことが出来るよう、喪主の役割についてお話ししていきたいと思います。

【喪主の決め方】

喪主を選ぶ際に、もっとも影響力をもつのが「故人の遺言」です。

故人の遺言で喪主の指定がある場合は、それに従って喪主を決定することとなります。

故人の遺言による指定がない場合は下記の3つを基準として決定するのが一般的です。

 

・一般的な慣習によって決定する

一般的な慣習では、故人の配偶者が喪主となるのがほとんどです。

昔は故人の後継者が喪主を務めるのが一般的でしたが、近年ではその考えも変わり、時代の変化や家族構成などから故人の配偶者が喪主を務める事が多くなってきました。

 

・血縁関係から決定する

故人の配偶者が高齢であったり、病気を患っている場合は喪主を務める事が困難となってしまいます。

その際には、血縁関係の深い方を優先するのが一般的です。

配偶者を除いて、親族の続柄を血縁関係の深い順に並べると下記のようになります。

  1. 長男
  2. 次男以降直系の男子
  3. 長女
  4. 長女以降直系の女子
  5. 故人の両親
  6. 故人の兄弟姉妹

 

・配偶者や血縁者がいない場合

故人に配偶者や血縁者がいない場合は、知人・友人・入所していた介護施設の代表などが喪主を務めるケースもあります。

この場合は「友人代表」や「世話人代表」と呼びます。

 

※喪主は1人とする決まりはなく、法律では祭祀継承者(家を祀る行事を受け継ぐ人)は1人と定められていますが、喪主は複数でも問題ありません。

 

【喪主の役割】

・葬儀全体の監督

喪主は葬儀に関する最終決定権を持っているため、葬儀の形式や日時・費用に関することを関係者と相談して決定する必要があります。

葬儀当日には、事前に決めたとおりに進行しているかを確認し、葬儀を円滑に進めることが出来るよう動きます。

 

・挨拶

喪主は通夜式や告別式など、様々な場面で挨拶を行う必要があります。

一般的には下記の場面で喪主として挨拶をします。

・ご僧侶が到着した時

・お布施を渡すとき

・会葬者に対して受付をするとき

・出棺時

・精進落としの席での開式、閉式時

 

・寺院への連絡

喪主は、お付き合いのある菩提寺に連絡をとり、日程の調整を行う必要があります。

特に付き合いのある菩提寺がない場合は、総日日程に合わせてご僧侶にお勤めいただけるサービスもあります。

 

・葬儀社を決める

葬儀社を決定する際も喪主が中心となって決定します。

亡くなった病院や施設で葬儀社を紹介してもらい依頼する事も可能ですが、葬儀費用が高い傾向にあるので、なるべく複数の葬儀社を比較し相談・検討してからの決定をお勧めします。

 

【喪主の挨拶について】

様々な場面で喪主は挨拶をすることとなりますが、どのような内容がふさわしいのでしょうか。

参考となるように、いくつか挨拶の例文をご紹介します。

 

・受付での挨拶

受付では参列者の挨拶に対してこちらも挨拶をかえします。

ここでのあいさつは簡潔にお礼を述べる事を意識すると良いでしょう。

「お忙しいところお運びいただきありがとうございます。ご丁寧に恐れ入ります。故人も喜んでいると思います。」

 

・出棺時の挨拶

出棺前の挨拶は、葬儀に参列してもらった事に対するお礼・生前お世話になったことに対するお礼など、感謝の気持ちを表すのが大切とされています。

 

「本日はお忙しいところ、父○○の葬儀にご会葬くださり誠にありがとうございます。

皆様から心のこもったお別れの挨拶を賜り、故人もさぞかし喜んでいると存じます。

生前中のご厚誼に厚く御礼申し上げます。

私どもは未熟ではありますが、故人の教えを守り、精進していく所存です。

今度とも個人同様、ご指導・ご鞭撻いただけますことをお願い申し上げます。

本日は誠にありがとうございました。」