新しいお仏壇のあり方

現代では、ご先祖や故人の供養の仕方が多様化して、従来のお仏壇にこだわらないものが普及してきています。ここでは、最近のお仏壇について簡単にご紹介したいと思います。

お仏壇とは

仏像や位牌(いはい)を安置する壇のことです。

仏様や菩薩像をお祀りする家の中のお寺また仏様やご先祖の家とされ、ご遺族にとって、故人とひととき心を通わせるための媒体ともなります。

お仏壇が広まったきっかけ

お仏壇が広まったきっかけは、『日本書紀』に記述されている、天武天皇が西暦685年3月27日、「諸國(くにぐに)の家毎に佛舎(ほとけのみや)を作り、即ち佛像と経とを置きて礼拝供養せよ」との詔(みことのり/天子の命令)を出したこととされていますが、実際に一般庶民の各家庭に広まったのは江戸時代中期頃からとされています。

優良仏壇店の全国組織である全日本宗教用具協同組合では、毎月27日を「お仏壇の日」に制定し、名古屋仏壇商工協同組合では、毎年3月27日の「お仏壇の日」に大須観音で仏壇供養祭を行って、古いお仏壇を供養・焼却しています。

最近のお仏壇について

最近では、お仏壇のない家庭は6割を超えています。

昔の日本家屋では、仏間をつくり、そこにお仏壇をまつるのが一般的でしたが、和室そのものが減っている現代では、仏間やお仏壇がない家庭が増えているのが現状です。

そして、最近では昔ながらのいわゆる仏間にふさわしい台つきの本格的なお仏壇というものではなく、小型で費用も手ごろなモダン仏壇が主流になりつつあります。

モダン仏壇

家具調仏壇、インテリア仏壇、新型仏壇、都市型仏壇とも呼ばれています。マンションやフローリングの部屋に違和感なく安置することができ、リビングや洋室に合わせた新しいデザインのお仏壇になります。

彫刻や宮殿をなくし、お手入れがしやすく、インテリア性を重視したすっきりしたデザインです。コンパクトなデザインで棚の上にも安置できる上置きタイプと、床置きタイプがあります。

材木は、従来から用いられていた銘木ではなく、ウォールナットやタモなど、洋風家具などで用いられているものが好まれる傾向にあります。また、ガラスを用いたものなど斬新なものもあります。

相場は、30万円から50万円前後となります。

ミニ仏壇

老人ホームに持っていきたい方やお仏壇を置くスペースを確保するのが困難なご家庭などに人気があります。様々なデザインのものがあり、扉のないタイプもあります。

相場は、一般的に2万円から10万円程度となります。

壁掛け仏壇

省スペースでも置ける壁掛け仏壇は、直置きが気になる方におすすめです。

壁面に掛けるタイプと壁に埋め込むタイプがあります。

 

また、購入方法として、最近はインターネットでお仏壇を購入する方が増えています。

無店舗型のネットショップや、お仏壇の製造メーカーや卸問屋がインターネット上で販売していて、店舗型の小売店より安く購入できます。

 

お仏壇は費用がかかり、広いスペースがないなどと諦めていた方は、新しいお仏壇を選択肢の1つとして考えてみてはいかがでしょうか。