弔辞の内容や読み方について

「弔辞」をご遺族から頼まれた際、実際にどのような流れで読むのかなど迷う方も多いのではないでしょうか?ここでは、「弔辞」の内容や読み方について、ご紹介します。

「弔辞」をお願いされた場合

ご遺族は故人との関係を考慮して、故人と特に親しかった人や関わりの深い人などに依頼します。依頼された場合は、特別な理由がないかぎり、引き受けるのがマナーです。

「弔辞」は、故人を弔う言葉であり、送る言葉です。心をこめて準備しましょう。

「弔辞」の内容

他に依頼された方と内容が重複しないよう、故人との関係性をふまえた思い出話などを取り入れましょう。

一般的には、3~4分程度の長さが目安です。読む速度によりますが、1000文字程度(原稿用紙2、3枚)となります。

友人の場合

友人の場合は、生前呼び慣れた愛称などで呼んでも問題ありません。故人の生前の様子がわかるように、具体的なエピソードと共に述べます。ユーモラスな人柄の故人の場合、笑いを誘うような内容でも構いません。

上司や部下などへの弔辞

会社のエピソードは、ご遺族や親しい方でも知らない一面となる場合もあるため、できるだけ具体的に述べましょう。故人の仕事内容やポジション、功績なども踏まえて人柄を称えるのが一般的です。また、専門的な職業の場合は、専門用語などは使わないようにし、一般の方にもわかりやすいようにする配慮が必要です。

「弔辞」の書き方

弔辞を書く紙は、一般的に大判の奉書紙(ほうしょがみ/ほうしょし)か巻紙です。最近では、市販の弔辞用紙、白い便箋や封筒を使うこともあります。薄墨と毛筆を使って、楷書で書きます。

「弔辞」の包み方

①「弔辞」の文字が表面の中央に来るように、折りたたんだ弔辞文を奉書紙の真ん中に置きます。

②上下左右とも十分な余白ができる大きめの奉書紙で、右側が下、左側が上になるように包んだら、上下を裏へ折ります。

③包み終えたら、表の中央部分に「弔辞」と記し、下に記名をします。

「弔辞」の読み方

①司会者に呼ばれたら霊前に進み、僧侶とご遺族に一礼します。そして、ご遺影に向かって一礼します。

②「弔辞」をひろげて、両手で持ちます。

③故人に語りかけるように、心を込めて、静かに読み始めます。参列者に聞き取れるよう、早口にならないよう、ゆっくり、かつ明瞭な発音で、やや大きな声になるように心がけましょう。

また、棒読みにならないよう、かつ感情的になりすぎないように注意します。故人に自然に語りかけるように意識して読むようにするのがポイントです。

④読み終わったら、もとのようにたたんで、表書きをご霊前に向けて壇上に置きます。

⑤ご遺影に一礼し、更に僧侶とご遺族に一礼して席に戻ります。

「弔辞」をお願いされた場合、親しい方や関わりの深い方が亡くなり、動揺の中、準備するのは大変だと思いますが、故人との最後のコミュニケーションとなりますので、大切にして下さい。