日本で執り行われる葬儀は大半が仏式のため、教会で行う葬儀に参加する予定がある場合、マナーが分からず不安に感じている方も多いのではないでしょうか?
今回は、キリスト教式の葬儀に参列する際に役立つマナーや葬儀の流れをご紹介したいと思います。
参列する際のマナー
1.御花料を持参する
キリスト教式の葬儀に参列する場合には、仏教式の香典と同様にお金を持参しますが、それを御花料と呼びます。
御花料の相場
両親‥5~10万円
兄弟姉妹・その配偶者‥3~5万円
祖父母・叔父・叔母・いとこ・甥・姪‥1~3万円
知人・友人・会社関係者‥5000円~1万円
近隣住人‥3000円~1万円
自身の年齢や、故人との関係性によって、相場よりも多く包むこともあります。
2.表書きの書き方
御花料を包む際、封筒はユリの花や十字架が描かれた封筒を使用しますが、白無地の封筒で代用可能です。
表書きは薄墨で書きますが、キリスト教の宗派によって異なりカトリックでは「ミサ料」、プロテスタントでは「御花料」や「献花料」になります。
キリスト教の葬儀の流れ
葬儀は故人が所属していた協会で行われることが一般的ですが、葬儀内容や流れは、宗派によって少し異なります。
カトリック式
カトリックの考え方は「故人は神に委ねられ、キリストの再臨と死者の復活が願われる」というもので、葬儀と告別式を分けて行います。
1.入堂聖歌
聖歌が流れ神父が入堂されます、起立して迎えましょう。
その後、棺と遺族が入堂し、神父は聖水を注ぎ、祈りを捧げます。
2.開式の挨拶
神父が棺に聖水を注ぎ、献香を行い、開式の辞を述べ、葬儀の開祭を告げます。
3.葬儀のミサ
「言葉の典礼」と「感謝の典礼」を行います。
言葉の典礼は、神父より、聖書の朗読と説教が行われ、参列者全員で祈りを捧げる儀式になります。
感謝の典礼では、遺族が祭壇にパンとぶどう酒を捧げ、神父から聖体となったパンとぶどう酒を受け取る「聖体拝領」の儀式です。
4.赦祷式
追悼説教を行い、棺に聖水や香を振りかけ、故人の魂が復活することや生前の罪が許されること祈ります。
葬儀終了後、神父は会堂から退場し、遺族による告別式が行われます。
5.入堂聖歌
告別式からは、親族以外の方も参加できます、参列者一同で聖歌を歌い、これにより開式を告げることになります。
6.弔辞・弔電の紹介
故人が信者となった経緯や略歴が紹介され、弔電を代読します。
7.献花
教会式では、ご焼香の代わりに献花を行いますが、献花は、 喪主、 遺族、親族、一般会葬者(友人・知人)の順で行います。
8.遺族代表の挨拶
喪主が挨拶し告別式は終了しますが、参列者が多い場合は、献花後に退場できるよう、献花の前に挨拶を行う事もあります。
プロテスタント式
プロテスタントの考えは「故人は神のもとで安らかになる」というもので、祈りは神のために捧げ、葬儀も神への感謝と遺族を慰めるという意味があり、葬儀と告別式は分けずに行うことが一般的です。
1.入堂
オルガンが演奏される中、牧師、棺、遺族の順で入堂し、参列者は起立して迎えます。先に牧師が入堂していて、そのまま開式の挨拶をされる場合もあります。
2.聖書朗読、祈祷、賛美歌斉唱
牧師が、聖書を朗読しご祈祷しますので、参列者は黙祷をします。
その後、全員で賛美歌を斉唱します。
3.牧師による説教
牧師が、故人が信者となった経緯や略歴を紹介し、その後に説教が行われます。
4.弔辞・弔電の紹介、祝福の祈祷
故人との思い出を語る内容が多いのが特徴的です。
故人が安らかに眠れるように祈祷をし、オルガン演奏の中、黙祷します。
5.告別の祈り、献花、出棺
牧師が祈りを捧げた後に、改めて全員で賛美歌を斉唱します。
その後、献花を、 喪主、遺族、親族、一般会葬者(友人・知人)の順で行います。
6.遺族代表の挨拶
喪主が挨拶し終了しますが、挨拶は出棺の直前に行われる場合もあります。
参列する際、注意すべき点とは?
1.服装について
参列に適した服装については、仏教式の葬儀と同様で問題ありません、小物類も黒など地味な色目にして、派手なアクセサリー類は避けましょう。
2.お悔やみの言葉は慎む
仏教式と事なり、お悔やみの言葉を申し上げるのは反って失礼にあたりますので、控えましょう。
3.数珠は不要
数珠は仏具のひとつであり、キリスト教の葬儀では使用することも無いので、教会へ持ち込まないようにしましょう。
4.弔電にお悔やみ言葉は不要
電報を送る際は仏教用語やお悔やみの言葉を避けましょう。
例えば「安らかな眠りをお祈りします」のような、故人の安寧を祈る言葉を送るのが良いとされています、言葉に注意して送りましょう。
宗派によって異なるキリスト教式の葬儀ですが、上記のようなマナーを把握しておくと、参列される時に安心ですね、是非ご参考になさってください。