一般的には四十九日法要までに準備すると良いと考えられている「仏壇」ですが、ご家庭に無ければ購入しなくてはなりません。
ただ、じっくり選びたくてもお葬式から四十九日までは意外と時間が無いものです。
最近の家は、全体的に洋風になっていて、仏壇がインテリアに合わないことや、和室や仏壇を置くためのスペースが無い等、購入するにあたってのお悩みも生じるかと思います。
人生で仏壇を選ぶ機会などそう何度もあるわけではないので、悩んでしまって当然です。
今回は、そんな仏壇についてのお悩みを少しでも解消して、納得して購入できるよう、選び方や種類などについてご紹介したいと思います。
仏壇の役割
ご先祖様をお祀りする壇を仏壇と呼びますが、家庭での供養や法要の中心となる仏壇は、家の中で本尊を祀る為の小さな寺院であり、ご先祖さまの家でもある神聖な場所にあたります。
葬儀が終わり、四十九日法要、一周忌、三回忌などの年忌法要を迎える際や、その他にもお盆、お彼岸などの仏事など、残された遺族にとって、手を合わせて心を落ち着かせたり、ご先祖様を想う精神的な拠り所にもなるでしょう。
仏壇の種類
仏壇は大きく分けて3種類あり、伝統的な「金仏壇」「唐木仏壇」、現代的な「家具調仏壇」です。
また仏壇は宗派とも関連していますが、一般的に浄土真宗では金仏壇が推奨されています。
宗派によって仏壇に厳格な決まりはないものの、内部の形状や飾る仏具などは異なるので注意が必要です。
「金仏壇」
黄金に輝く造りは、極楽浄土の世界を表現しているとも言われ、内部に金箔や金粉が貼りつけられている伝統的な仏壇で、金箔は金の含有率が多いものほど価格は高くなり、仏壇もそれに乗じますが、80万円〜150万円が相場だといわれています。
また全体に黒の漆塗りが施されていることから「塗り仏壇」と呼ばれることもあります。
「唐木仏壇」
唐木とは、昔、東南アジア産の銘木を唐の国(中国)から輸入し、その材木を使い仏壇が作られていた事に由来しており、現在では、欅や楠などの、日本の銘木も素材として使われています。
重厚で落ち着いた見た目が特徴で、銘木の美しい木目を生かした仏壇ですが、素材となる木材は銘木だけでなく、圧縮ボードまで様々で、それに合わせて価格帯も幅広く揃っています。
「家具調仏壇」
インテリア性の高い仏壇をいい、「現代仏壇」など呼び名も様々で、仏壇としての基本的な造りはそのままにデザイン性を高め、素材やサイズを現代の住宅様式に合わせてアレンジされているので、一見仏壇に見えないものや、置き場を選ばないコンパクトなもの、素材も家具に合わせてウォールナットなど洋風な材木が使用されていたりとバリエーションが豊富です。
価格帯も幅広く、個人の好みで選べることから近年需要が高まっている仏壇になります。
仏壇の設置場所による形状の違い
「台付きタイプ」
昔ながらの床置きする仏壇を言います、ある程度のスペースが必要となり、大きめの仏壇になりますが、その分堂々たる風格をもち立派な仏壇になりますが、引き出しも多いため小物などの収納もし易く使い勝手は良いでしょう。
高さを抑えたい場合は「低台タイプ」もあります。
「上置きタイプ」
棚やタンスなどの上に置くコンパクトな仏壇を言います、場所を取らないので、仏間や和室の無い家やマンションなどの住まいに適しています。
さらに小スペースで設置可能な「壁掛けタイプ」や、扉を閉じると仏壇に見えないタイプなどとモダンなデザインも多いので、新しい仏壇のスタイルとして注目されています。
仏壇選びのポイント
今や仏壇もオンラインショッピングが可能になりましたが、少しでも不安があるなら実店舗へ行き、販売員に相談しながら選ぶのも良いでしょう。
また、葬儀社は仏壇店とも連携されている場合もありますので、お葬式後に仏壇の購入を考えている場合に葬儀社へ相談するのもよい方法です。
事前に考えておくことは、宗派の確認(仏壇の内部の形状や飾る仏具も宗派によって異なる為)、仏壇のタイプを決める、置き場所を考えておく(置きスペースのサイズを図り、メモしてお店へ)、予算の価格帯を決めておく、などが大事です。
迷わずに購入するためにも、事前にネットやパンフレットを見たり、住居や家族の希望を話し合ったりするなど、ある程度の仏壇をイメージしてお店に行くとスムーズに購入でき、予算オーバーも防げるでしょう。
まとめ
従来から受け継がれて来た伝統的な仏壇や、形にとらわれないお洒落な仏壇にしても、故人やご先祖さまへの想いを大切に、ご家族の希望に合うものを選ぶのが良いのではないでしょうか。