仏壇とは
仏壇は、故人の位牌を納めるためのもの、ご先祖様を祀るためのものという意味ももちろんありますが、仏壇の中心に位置しているのはあくまでも本尊です。
本尊は、それぞれの宗派の根本的な考えを象徴する存在であり、それによって両脇侍も違ってきます。宗派は自分の家が属している菩提寺によって異なりますので、不明な時は詳しくお話を聞いてみるのも良いでしょう。
宗派によって本尊が立像や座像、掛け軸など様々で、絵像や名号を祀るところもあります。
仏壇にご先祖様の位牌を祀るようになったのは、亡くなった人は皆成仏し、仏様のもとへ行くという考え方によるところが大きいです。
例外的に、浄土真宗では位牌は用いられません。
宗派と本尊と両脇侍(左・右)
天台宗:釈迦牟尼如来 伝教大師・知者大師
真言宗:大日如来 不動明王・弘法大師
浄土宗:阿弥陀如来 法然上人・善導大師
浄土真宗(本願寺派):阿弥陀如来 蓮如上人・親鸞上人
浄土真宗(大谷派):阿弥陀如来 九字名号・十字名号
曹洞宗:釈迦牟尼如来 常済大師・承陽大師
臨済宗:釈迦牟尼如来 普賢菩薩・文殊菩薩
日蓮宗:大曼荼羅 鬼子母神・大黒天
本尊を安置する場所は聖域であり、仏教においては須弥壇と呼ばれています。
仏教寺院においても本尊や仏像群を安置するために、周りよりも一段高く設けられている場所のことを意味しています。須弥壇の名前は「須弥山(しゅみせん)」に由来していて、元来はインド神話のスメール山から共有しています。
仏教の世界観の中では須弥山を取り巻き7つの金の山と鉄囲山、その間に8つの海があるとされており、それを全て合わせて九三八海が存在しています。
須弥山は仏教以外にも、チベット仏教、バラモン教、ジャイナ教、ヒンドゥー教においても聖山として敬われています。
仏壇という日頃は馴染みのない空間の中にも、このように宗教においては一つひとつ意味のあるメッセージが込められているのです。故人を偲ぶとともに、故人が帰っていく世界に目を向けてみるのもまた想う気持ちに繋がるのではないでしょうか。
仏具
仏壇には本尊、両脇侍、位牌のほかに、過去帳を置きます。過去帳というのは、ご先祖様の仏名や亡くなられた年月日、俗名などが書いてあるものです。
また供物のための仏具や読経や礼拝の時に使う仏具なども必要です。
一般的には香炉(香)・花立て(花)・燭台(灯明)は三具足といい、宗派を問わず仏具として欠かせないものとされています。法事などの正式な儀式を行う時には、この三具足のうち燭台と花立てを一対にするので五具足がセットになります。
その他には、線香立て、茶湯器、仏飯器、高坏、読経のための教本、鈴、鈴台、鈴棒などがあります。仏飯器には炊き立てのご飯を盛ってお供えをする時に使うものであり、高坏は半紙を敷いてお菓子や果物などのお供え物を盛る時に使う高脚のついた塗りの器です。
香・花・灯明の意味
香には抹香と線香の2種類あり、仏様へのご馳走と礼拝する者の身の穢れを清める意味があると言われています。花には仏様の御心の中でも特に慈悲心をあらわしているとされ、左右に一対にするのが一般的ですが、1つの時は本尊に向かって左に配置します。灯明は仏様の知恵を司る光明を意味しており、私たちの心の闇に仏様の光明による知恵をという光を授かることができるように願いが込められています。悟りを開くという意志の中でも灯明の光は欠かせないものであり、暗闇を取り除くという意味もあります。左右一対にするのが一般的ですが、1つの時は本尊に向かって右に配置します。
仏壇は須弥壇を中心に、本尊や両脇侍、仏具などによって構成されていますが、宗派によって本尊の数や種類にも違いがあり仏具の置き方も様々です。
新たに購入される場合は、ご自分の宗派に合ったものをよく相談されてからご検討されるのが望ましいですね。
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