併設斎場での葬儀の利点

葬儀場の数と火葬場の数

葬儀の流れとして、一般葬では通夜式を行い、翌日に告別式と火葬をするという形式が多く行われてきました。葬儀場は、葬儀社各社も自社で多くの会場を建てて所有しており、ある程度の余裕を持った受け入れができるようになっています。

ここ数年で、葬儀場の数は増加傾向にあります。

皆さんがお住まいの地域にも次々と新しい葬儀場が建設されているのではないでしょうか。

それも最近の葬儀スタイルの変化の影響もあります。

2日間かけて行う一般葬に加えて、通夜式の無い一日葬や、会葬者を家族やごく親しい友人までに限定した家族葬を選ぶ人が増え、葬儀社もそれに対応した小規模な葬儀プランを用意するようになりました。

葬儀場の増加は、このような小規模の家族葬向けの会場が増加している傾向にあります。

家族葬とかかれた会場を多く目にするようになりました。

ただ、人が亡くなって葬儀を行うということは火葬も行うことであり、葬儀と火葬はいわばセットです。葬儀が終わったら火葬をしなくてはなりません。

そこで、火葬場の数はどうかというと、都市部では十分足りてはいない状況です。

しかも足りていないからと言って今後増やすこともなかなか難しい状況です。

葬儀場の建設には寛容な住民も、火葬場が自宅の近所にできるのは反対する人が多いからです。

住民の反対運動等で土地の選定の段階からつまずくことが多く、なかなか行政も火葬場の新設には慎重です。

葬儀の日程がなかなか決まらないというのは、火葬場が少ない為です。

火葬場の予約が取れて火葬の日時が決まらないことには、葬儀もできないのです。

家族葬の会場

家族葬が増加するにつれて今まで一般的な葬儀場で行っていた家族葬も、家族葬専門に使用する目的で建設された家族葬専用のホールで行われることが多くなってきています。

見た目は、一般葬の会場より、比較的こじんまりした大きな戸建ての家のような建物もあり、会葬者は、家族葬用ホールでは、普通の家にあがるように訪問して、玄関で靴を脱いであがり、小部屋で遺族の近くでご遺体にお別れの面会をしてゆっくりとお別れをするのが特徴です。

ただ、家族葬ホールでのお別れの後には、やはり火葬場に行くことになります。火葬場に行くのは限られた遺族だけかもしれませんが、ご遺体と見送る遺族は火葬場への移動となります。

火葬場が近くにあって、予約がすぐに取れれば問題ないのですが、予約が混み合っている場合、火葬までの間のご遺体の安置が必要となります。

火葬場の併設されている斎場の利点

多くの公営の火葬場には斎場も併設されていることが多いです。

葬儀の後、大移動せずに火葬ができれば遺族の負担を減らし時間短縮にもなりますから、そのような利便性を考えて建設されていると言えます。

家族葬のように、ゆっくりとご遺体に近くで対面し、ゆっくりとした時間を過ごすことはなかなかままなりませんが、斎場で行われた葬儀の後、ご遺体はそのまま火葬場へ移動するので、葬儀にかかる時間は移動時間が無い分、短縮できます。

葬儀場側も回転率が速くなります。利用数を伸ばすことになり結果的には地域住民への貢献度も高くなります

高齢の遺族の負担を減らしてくれる併設会場

葬儀を行うのが高齢の遺族だけの場合も多く、葬儀の間座っているのも大変だという人もいます。

また、高齢の為、葬儀場から火葬場へバスに乗って移動して、広い会場を歩くだけでも大変という人もいます。

そのような高齢の遺族にとっては、一カ所で全てを行える火葬場併設の斎場があれば、体にかかる負担も少なく行えるので安心かも知れません。

また、足腰が弱くて歩くのがつらい遺族には、車椅子の貸し出しを利用すると良いかも知れません。

葬儀場を必ず立って歩かなくてはいけないわけではないので、会場が広く歩くのが大変な場合は、車いすを利用するのもひとつの方法です。

亡くなった人も大事ですが、生きている遺族の健康も大事です。

体に無理のない形で故人を見送ることも故人を安心させてあげることに繫がります。

 

葬儀の世話役

世話役とはどんなことをする人?

 

葬儀は、昔は隣近所の地域の人々の繫がりで同じ町内会の人等がお手伝いをしたものですが、今は核家族化も進み、若い世代では共働き世帯も多いため、そういった町内のお手伝いの風習は失われつつあります。

地方の町内会ではそういった助け合いの習慣がまだ残っている場合もあり、中には不慣れながらも葬儀の世話役を頼まれるケースもあります。葬儀社がほとんどを取り仕切ってくれる昨今ですが、では世話役とはどんな役目を果たすポジションなのでしょうか。

世話役は、葬儀を行う上で必要と思われる事の中で葬儀社が担当できない部分をフォローしたり、葬儀全体を指揮したり葬儀のお手伝いの人を統率したりするなど、葬儀全般に常に目を行き届かせて滞りなく葬儀が行えるようにあらゆることに気を配る役目を担う人です。

葬儀場の駐車場に警備員の配置をしたり、炊事場でお茶出しやお菓子の準備、お斎(おとき)の配膳や洗い物をする女性を選んでお願いしたり、受付をする人の人選や会計係の人選、僧侶のタクシーの手配等、葬儀社でも手配をしてくれますが、葬儀のプランによっては、スタッフの人数が足りない場合もあるので、全くの遺族と葬儀社だけで葬儀を行うよりも心強いと言えます。

特に多くの会葬者が予想される葬儀の場合は、必ずと言っていいほど世話役が葬儀を統率・指揮することが望まれます。大規模な葬儀の場合は、この世話役が何人も必要で、その上に更に一人世話役代表を決めて、全てを把握し遺族と葬儀社をフォローします。

世話役を頼まれる人

 

世話役が必要な葬儀は、一般葬の比較的規模の大きな葬儀や、社葬等です。逆に家族葬等で、会葬者の人数も少ない場合は、世話役は必要ない場合がほとんどです。

家族葬では、ほとんどの葬儀社が親身になって世話してくれますから、わざわざ世話役を置かなくても無事に滞りなく葬儀が行えます。では、社葬等で世話役を頼まれるのはどんな人でしょうか。

それは、会社の中で社歴も長く、総務部等に所属する年長の社員が選ばれ頼まれることが多いようです。

こういった人は、会社の行事等を数多く仕切ってきている経験も豊富な為、そつなくこなしてくれるからです。

葬儀社も世話役がこういった人であれば安心して打ち合わせができます。また、会社の中で、引き受けられるのは自分しかいないと自負している人も多く、快く引き受けてくれる場合がほとんどです。

社葬ではなく一般葬の場合に世話役を頼まれるのは、町内会の班長さん等が多く見受けられます。故人が高齢者でしかも夫婦のみの世帯で、喪主が高齢の配偶者等の家庭では、長男世帯が離れて暮らしていてすぐに駆け付けられない等の事情も近年増えて来ている為、また町内での手伝いの要請の必要がある場合等には指示が出しやすい立場だからです。

この場合も班長さんは、引き受けてくれることが多いでしょう。しかし近年町内のいろいろな役職も高齢化が進んでおり、引き受けたくても、その人自身が病気療養中等であれば難しいでしょう。

そうした場合は、必ずしも世話役を決めなければならないわけではなく、葬儀社が全て取り仕切って行ってくれますので心配は不要です。

世話役はできればいてくれていた方が遺族も葬儀社も有り難いということですので、世話役がいないと葬儀社や遺族が困るということではありません。

社葬の場合は必ず世話役を決めますが、一般葬の場合は葬儀社に頼りきりになっても良いのです。葬儀社も親身になって誠心誠意動いてくれるはずです。

それが葬儀社の評価を決めると言っても過言ではないのですから当たり前といえば当たり前です。誠心誠意葬儀のお世話をして遺族から感謝の言葉をもらえるのは大きな仕事のやりがいとなっているはずです。

よく遺族からの葬儀後の感謝の手紙等がチラシ等で紹介されていますが、そう言った遺族との心の交流が葬儀社のスタッフの生きがいなのです。