数珠の意味
数珠はもともと念仏の数を数えるための道具であったため、念珠と呼ばれることもあり、仏教においてなくてはならないものです。
基本的には私たちの煩悩の数、すなわち108個の珠から成っており、形状は宗派によって明らかに異なります。
本式の数珠を用意する場合は、自分の宗派をきちんと調べてから用意するようにしましょう。
また仏具の一種ですので、神道やキリスト教のお葬式で数珠は必要ありません。
ご自分がキリスト教信者で仏教のお葬式に出席する際は、数珠をお持ちではないと思いますので何も持たずに参列される方もいらっしゃいます。
特定の宗教にこだわらない方は、略式のオールマイティなシーンで使える数珠で十分です。
数珠を持つことや人を拝むこと、お焼香にも賛同できないと感じる場合は、丁重に出席をお断りした方がお互いにわだかまりが残らないとも言えるでしょう。
数珠の種類
真言宗
108個の主玉、2個の親玉、4個の四天玉が一定の規則に則って配置されたものが一連に繋がり、菊房がついたものが代表的です。
持ち方は、両手の中指に均等に数珠を掛け、そのまま折りたたむように合掌します。房は自然に振り分けます。
真言宗は特に数珠に重きを置く宗派で、数珠を擦り合わせることで煩悩に打ち勝つ意味をもたらすと言われています。
浄土真宗
108個の主玉、2個の親玉、4個の四天玉を一連に繋げたものです。唱えた念仏の回数を数える修行のための数珠ではなく阿弥陀如来への感謝を現すための道具でしたので、片方の房には玉を通さない紐を巻き上げて結んだだけの蓮如結びが施されています。
持ち方は数珠を二重にするところまでは共通していますが、西の本願寺派と東の大谷派によって房の来る位置が違ってきます。
本願寺派は二重にしたものを合掌した両手に掛け、房は小指側の外側に垂れるように持ちます。
大谷派は親玉が上に来るように二重にしたものを両手の親指で挟むように持ち、房は左側に振り分けます。
日蓮宗
108個の主玉、2個の親玉、4個の四天玉から成ります。合計41個の下がり玉を通した菊房が片側に2本、反対側に3本付いているのが特徴的です。
持ち方は、右手の中指の外側に2本の房が来るように掛け、数珠を八の字に捻じり、左手の中指の外側に3本の房が来るように掛け、そのまま合掌します。
日蓮宗は祈祷の際に数珠を激しく打ち鳴らすことが多かったため、木でできたしなやかな素材の数珠が多かったのですが、近年は水晶などの石を使用したものも増えてきました。
浄土宗
他の宗派との大きな違いは、主玉の数が違うことと、最初から二つの輪が一つに組み合わさっているというところです。片方は27玉あり、もう片方は40玉(もしくは20玉)から成っております。
房には10個の平玉と6個の丸玉が付いています。
持ち方は、二つの輪の親玉を揃えて親指の根元で押さえるように持ちます。房は手首側に下ろすのが一般的ですが、小指側に下ろす持ち方もあります。
浄土宗の僧侶が儀式で使うのは108個の主玉からなる数珠です。
曹洞宗・臨済宗
108個の主玉から成る長い数珠を二重にして使います。曹洞宗も臨済宗も数珠の形式は同じですが、曹洞宗は房の手前に金属の輪が付いているのに対し、臨済宗に金属の輪が付いていないという違いがあります。
持ち方は数珠を二重にしてから房を下に垂らし、左手に掛けそのまま合掌します。
曹洞宗・臨済宗は念仏を唱えることよりも、座禅を組んで自己と向かい合うことが重要とされています。
天台宗
108個の主玉、1個の親玉、4個の四天玉から成り、片方の房には20個の平玉と、もう片方の房には10個の丸玉が付いているのが特徴です。
持ち方は、両手の人差し指と中指の間に掛け、小指側に房を垂らします。そして両手の間の主玉を包み込むように合掌します。
数珠は一人一つ
数珠はその人のお守りのような存在でもあり、基本的に貸し借りはしない方が良いとされています。所帯を持つような身分になられた際は、ご自分の数珠を用意されることをおすすめいたします。
また宗派がわからない、こだわりがないという方は略式の数珠を用意するようにしましょう。
最近ではパワーストーンなどを使用したブレスレットなどもありますが、数珠とは意味合いが違いますので兼用することはできません、
いずれにしても急な葬礼に備えて、準備しておくことが大人のマナーとも言えるのではないでしょうか。
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