現代の日本ではほとんどの人が火葬で故人とのお別れをするようになりました。
かつては土葬がほとんどでしたが、明治時代から火葬の割合が増え始めたと言われています。
欧米では現代も土葬が主流ですが、日本では火葬の割合は99.9%となり、火葬が主流となっています。
どうして火葬なのか。どのような流れで火葬されていくのか…。
そんな火葬についてお話ししたいと思います。
火葬が主流な理由
日本は小さな島国なので、所有する土地の面積が少ないです。
火葬で埋葬する事で、少ない土地を有効的に利用する事ができ、衛生的で安全であることがあげられます。
今では土葬も法律で認められてはいますが、条例で禁止されている市町村が多く、土葬を行う事が難しくなっています。
火葬を行うために必要なこと
火葬を行うには、火葬許可申請を行う必要があります。
火葬許可申請は、死亡届と一緒に市町村の役場に提出することで申請が出来ます。
ご遺族で申請する事が出来ますが、葬儀社が代行して申請する事が可能なので、葬儀社に申請をまかせるケースが多いようです。
火葬
火葬は、葬儀と告別式の後に続いて行うのが一般的です。
火葬場までご遺体を搬送し、個人との最後のお別れとなります。
火葬にかかる時間は約1~2時間とされており、その間会葬者の方々に待っていただく形になります。
なので、ご遺族はお茶やお酒・お菓子などの準備をしておく必要があります。
その間に、故人が生前お世話になった方々へ感謝の言葉を伝えたり、火葬場まで来てもらったお礼をしたりして過ごします。
骨上げ
火葬後に遺骨を骨壺に納める儀式を「骨上げ」と言います。
二人一組みになり、竹箸でひとつの骨をはさんで拾い骨壺へと納めます。
この動作はテーブルマナーにも影響しており、2人同時に同じ食材を掴んでしまうことを二人箸と言い、拾骨の所作と似ているため行儀が悪いとされています。
骨上げは喪主から始め、故人と縁の深い人から順に行います。
足の骨から順に骨を1.2片拾い、箸を次の人へと渡していき、最後に喉仏を拾って終了となります。
火葬場の人が持ち帰る準備をしてくれるので、ご遺族の方はそれを受け取る形になります。
一緒に火葬できるもの
故人とのお別れの際に、棺に思い出の物を一緒に入れる方も多いと思います。
お気に入りの服や故人の好きだった食べ物、家族や友人からの手紙などを一緒に入れる方が多いようです。
昔は、三途の川の渡し賃として六文銭を一緒に入れて埋葬する事が一般的だったようで、その名残で5円玉や50円玉を入れる風習が出来たようです。
最近では、六文銭の模様を印刷した紙を一緒に入れるのが主流となっています。
プラスチックや金属、ガラス製品などの燃えにくいものは一緒に火葬できないので注意が必要です。
他にもいろいろな決まりがあるので、火葬場のリストを確認しておくと安心でしょう。
生きている人の写真も一緒に埋葬すると、あの世に呼ばれてしまうという迷信からタブーとされています。
いろいろと入れ過ぎてしまうのもよくないので、特に思い入れの深いものを一緒に入れてお別れが出来ると良いですね
直葬について
火葬式とも呼ばれるもので、葬儀を最も小規模化した形式のことを言います。
通夜や葬儀・告別式を行わず、限られた親しい人や親族のみで火葬場へ行き、火葬のみを行います。
祭壇も飾らず、会葬者も招かない形式なので葬儀の費用を抑える事が出来、ご遺族の精神的負担も少なく済むので、近年利用者が増えています。
直葬の流れとしては、病院→安置施設や自宅→火葬場という流れで、通夜や告別式を行いません。
葬儀社によっては直葬を希望しても受けてくれない場合もありますので、事前に確認しておくと安心でしょう。