会葬礼状のマナーについて

最近の「会葬礼状(かいそうれいじょう)」は、写真やメッセージなどを組み込んだ、オリジナルのものが増えてきているといわれています。オリジナルで作る際には、色々と気をつける点もあるため、ここでは「会葬礼状のマナー」についてご紹介します。

会葬礼状とは

お通夜やご葬儀に参列してくださった方へのお礼状のことです。最近では、一般的にお通夜やご葬儀の当日に、受付か、式場出口で、お清めの塩や粗供養品に添えて、お渡しします。

基本の会葬礼状の依頼方法

最近は、基本的に葬儀プランに、会葬礼状が含まれている事が多いため、わざわざ依頼する必要はありません。

オリジナルの会葬礼状の作成方法

会葬礼状作成を専門とする業者に依頼する方法や、自分で文章を作成して印刷する方法があります。

「お礼状」を専門に扱う業者は、専門のライターが、オリジナルの心のこもったお礼状を作成してくれます。

最近は、写真やメッセージなどを組み込んだ、オリジナルのものを自分で作成する方が増えてきているようです。

自分で作成する場合のマナー

句読点は使いません。

本来、会葬礼状は毛筆で書くものであるとされています。一般的に、毛筆の書状に「、」や「。」は用いません。句読点は、古くは文章を上手く読めない人に対する補助的な記号として句読点が用いられていたため、相手を子ども扱いし失礼にあたるということで使われていませんでした。

また、物事が終わりまでスムーズに流れるように、途中で途切れないようにという意味合いで、ご葬儀が滞りなく終えられるようにという願いをこめて、会葬礼状には句読点を使いません。

忌み言葉、重ね言葉を使いません。

生死に関する直接的な言葉や、不幸が重ならないように重ね言葉もタブーです。

薄墨を使います。

薄墨を使うことは「涙が硯(すずり)へ落ち、墨が薄くなってしまった」という意味合いが込められています。会葬礼状は、弔事の手紙にあたるため、薄墨を使うというのが基本的なマナーとなります。

最低限書かなければならない内容

故人の名前、お礼の言葉、結びの言葉、差出人です。

お礼の言葉は、参列へのお礼と故人が生前お世話になったことへのお礼を記します。

結びの言葉は、本来ならば、ひとりひとりにお礼を言うところを書面のお礼になってしまったこと、そして、会葬のお礼を再度述べて、文を結びます。

オリジナルの会葬礼状のおすすめ

オリジナルの会葬礼状には、故人の写真や絵を挿入するのが、おすすめです。

その他

会葬礼状では、故人と喪主の関係を入れます。

日付は、故人が亡くなった日付ではなく、葬儀の日付となるため注意しましょう。お通夜・葬儀どちらの日付も入れておくと、両日使えるので便利です。

住所を入れる場合は、喪主の住所にするのが一般的ですが、離れて住んでいた場合などは、故人の住所でも構いません。

印刷などについて

私製ハガキに、黒または薄墨色で枠取りしたものに印刷し、同じ枠取りをした封筒に入れるのが一般的です。

失礼のないように、そして気持ちのこもったお礼状を作成してみてはいかがでしょうか。

代理でお通夜やお葬式に参列する際のマナー

仕事の都合や体調などにより、職場の上司や配偶者などのお通夜、または葬儀や告別式への代理参列を依頼される場合があります。ここでは、「代理でお通夜やお葬式に参列する際のマナー」について、ご紹介します。

御香典の準備

一般的には、依頼する方が用意します。

事前に用意するのが難しい場合は、代理人側で御香典の用意をします。その場合、表書きには、依頼者の名前と左下に「代」の文字を書きます。依頼者が配偶者の場合は「内」の文字を書きます。

受付

受付では、お悔やみのことばを述べて、事情があって依頼者が参列できない旨を簡潔に説明します。具体的には、「この度は、大変ご愁傷様でした。本日は故人様とご縁の深かった○○が□□のため、代理で伺いました。心よりお悔やみ申し上げます。」と述べ、御香典をお渡しします。

名前の記帳の仕方

◆職場の上司の代わりに出席する場合

会社名、上司の所属部署名、役職名の下に上司の名前をフルネームで記入し、「代」もしくは「代理」と書きます。

自分自身も、故人と面識がある場合は、「代」の下に名前を書きます。単なる代理の場合は、代理の下に代理人の名前は書かなくても構いません。ただし、受付で、代理人の名前を記帳するように言われた場合には、名前を記帳してください。

◆妻が夫の会社関係や友人などの葬儀に代理出席する場合

夫の名前の下か横に「内」という文字を記帳します。

故人が親戚関係であったり、自分自身も面識のある方の場合は、「内」の下に名前を記入します。

◆親の代わりに代理出席する場合

親の名前を記帳し、その下に「代」もしくは「代理」と記入します。

◆故人が自分自身も参列する間柄の方で、親や友人などから御香典を預かっている場合

自分自身の名前を記入したあと、御香典を預かってきた方の名前を別欄に記帳します。

住所の記帳

依頼者の住所を記載します。会社の代表として参列する場合は、会社の住所を記載します。

※名刺を預かっている場合:預かった上司の名刺の右上には、「弔」という文字を記載して、受付でお渡しします。

代理人の名刺は、受付から求められた時にはお渡しするようにします。代理人の名刺の右上には、「代」という文字を記入します。

お通夜やお葬式の振る舞い

もし、ご遺族と会話をする機会があれば、簡単なお悔やみの言葉と代理である旨を伝えるようにします。

お通夜の場合、通夜振る舞いを勧められたら、できれば一口でも飲み物や食事に箸を付けるようにすると、依頼者に代わって供養したことになります。どうしても抵抗がある時や、早く帰らなければいけない事情がある場合などは、丁重にお断りしても失礼とはなりません。

香典返し

代理で参列した方にも、香典返しが渡されます。まずは、預かっておいて、後日、依頼者に手渡しするようにしましょう。遠方ですぐに会えない場合は、郵送するようにします。

代理で参列する場合は、マナーを大切にし、依頼者に代わって故人の冥福を祈りましょう。