終活は何から始めるのか

いざ終活をと思い立ち考え始めると、子供たちに迷惑を掛けたくないけど何をすべきか?身辺整理はどこからすれば良いのか?

など次々と悩みや不安が出てくるかと思います。

終活として、やらねばならない事が思いの外沢山あることに気づかされるでしょう。

そこで、今回は、終活を思い立った時に何から始めたら良いのかという事に焦点を絞って説明していきたいと思います。

リスト作り

まず始めに、やるべきことを知り、具体的に何をするのかリストを作りましょう。

1.個人情報の整理

遺族に自分の資産を明記し、しっかりと渡す事ができるよう、個人情報はしっかり整理する必要があります。

第三者への情報漏洩を防がなくてはなりません、スマートフォンには今や多くの個人情報が詰まっています、パソコンなどの電子機器について、使用していないものがあれば早めに処分をするようにしましょう。

また、銀行口座、クレジットカード情報、生命保険など各種保険、株をしている方は取引情報も含まれますので電子機器に残っている暗証番号などの情報を削除もしくは整理しておきましょう。

2.不用品の整理

整理をせずに亡くなった場合に、遺族が代わって片付けなければならず大きな負担となります。

不用品は早めに整理し、処分しておきましょう。

廃棄することが勿体ないと感じたら、リサイクルショップに持ち込んだり友人に譲るなどとし、大きな物は自治体に不燃ゴミとして出すことや、不用品回収業者に引き取りを依頼することもできます。

3.自分の葬儀、お墓について考える

自分が亡くなった後に行われる葬儀について、どんな希望があるのか考えを定めて、希望があれば家族に伝えておきましょう。

お墓に対しても同様です、先祖代々のお墓に入りたくない、散骨して欲しいなどの希望を、死の直前に聞かされても遺族は困惑するばかりです、禍根を残さないよう、家族としっかりと相談をしておきましょう。

4.相続をどうすべきか考え、準備をする

残された家族が遺産で揉めてしまう事は辛いですよね、しっかりと準備をしておきましょう。

まず自分の財産を把握して、遺産相続の配分を決めたら、遺言書を作りますしょう。

遺言書には、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の三種類ありますので、後に遺族間トラブルに発展させないよう、法的効力のある遺言書の作成をしましょう。

また、その他に、公証人を利用して遺志を残すことも可能です。

5.エンディングノートへ記入する

今や終活のひとつとして、エンディングノートは書店や文具店で様々な書式のものが売られています、普通のノートでも構いませんが、自分に合ったものを選び購入することもお勧めです。

エンディングノートは遺言書の様な法的効力はもちませんが、書くことで自分の人生を振り返ることや、家族に伝えておきたいことが見えてきます、遺族もそれを後にみて考えを知ることができて安心するというツールにもなります。

基本的なものとして以下を記入すると良いでしょう。

・氏名、生年月日、住所、血液型、本籍地、電話番号などの個人情報

・葬儀やお墓に対する考え、遺影として使用して欲しい写真など、亡くなった後の希望

・遺言の有無、遺言書の種類、作成日、保管場所、遺言執行人氏名と連絡先

・預貯金について銀行、支店名、口座番号(ノートの紛失に備え暗証番号は記載しない)

残された家族の為にも是非エンディングノートを作りましょう。

終活で考えておくと良いこと

人の人生には、いつ終わりが来るのか誰にもわかりません、終活は3段階にわけて考えると整理しやすくなります。

・生前の自分…生きている限り、残りの時間をどう過ごすのか

・終末期医療…死期が迫った時に緩和医療に切り替えるのか、延命治療を続けるのかを決める。

・認知症になった時…認知症で判断力が衰えた人を法的にサポートする制度、成年後見制度などにつて、利用方法を調べておく。

・一人暮らし…孤独死の危険を軽減する為にも、役所や周囲へ一人暮らしであることを知らせ、緊急ブザーの設置や、食事や介護の訪問サービスを利用しましょう。

 

亡くなった時の自分

・葬儀と墓について…希望や予算を踏まえた上で、自分に合った葬儀を選んでおくこと、墓に関しても先祖代々のお墓に入るのか、一般墓地や永代供養墓といった選択肢から考えておきましょう。

 

亡くなった後の自分

・終活リストに書いたような遺品整理や遺産相続など、トラブルに発展させないよう生前にしっかりと準備しましょう。

 

まとめ

平均年齢が高まっている昨今ですが、終活は事の外、体力がいるものです。

年を取り体が動かなくなったり、いつのまにか認知症にかかり物事の判断ができなくなるという事が十分に起こりえますから、からだが健康なうちに少しずつ取りかかれば、有意義に進められるでしょう。

まずは不用品の整理から少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。

 

身寄りが無い場合の葬儀等について

現在の日本では、身寄りの無い高齢者の単身世帯の増加や、孤独死は増加する一方ですが、独り暮らしになった場合や、身寄りが無く自分が亡くなった場合には、葬儀はどうなるのかと案じている方も多いと思います。

少しでも不安を軽減させる為に今のうちから知識を入れて、独り身となった場合に備えておくと良いかも知れません。

今回は、身寄りの無い場合の葬儀等についてご紹介したいと思います。

身寄りのない方の葬儀・葬式について

身寄りのない単身世帯が亡くなった際、例えば日常的に地域の方々と交流していれば、どなたかが早期に見つけてくれて、葬儀を執り行われる場合があります。

その場合には、故人の相続財産管理人が管理している財産から、葬儀費用を返還されます。

一方で、亡くなられた方が地域と交流のない場合は、残念ながら死後の発見までに時間がかかり、葬儀は死亡地の市町村長が行うことになります。

身寄りのない故人の遺骨や遺品等は、引き取り手もいない事が殆どで、数年間(5年ほど)保管後に、遺骨は無縁塚に埋葬される流れになります。

 

生前に出来ることとは?

◆葬儀の生前契約をすること

身寄りが無く自分の葬儀をお願いする人が居ない場合や、自分の葬儀の事で他人に迷惑を掛けたくない、身辺整理をしておきたい等と考えられた場合、葬儀の生前契約をすると良いでしょう。

 

◆地域コミュニティに参加すること

単身世帯の場合、周囲の方達との関係が、時に命綱となる場合があります。

例えば、具合が悪くなり倒れた場合に、たまたま訪ねてきた近所の方に発見され、一命を取り留めることが出来たという事もあります。

日頃から周囲の方達とのコミュニケーションを取ること、ボランティア活動等に継続的に参加することも、生きていく活力にも繋がりますし、大事なことです。

 

◆居住地域の行政サービスについて知ること

分からない事があれば、地域の行政を頼るのも一つの手です。

地域包括支援センターなどは、高齢者からの様々な相談を受けつけており、解決する為の必要な制度やサービスについて、教えて頂けます。

また、詐欺や虐待などの犯罪から高齢者を守る取り組みを行っている為、快適な生活を高齢者が送れるよう、対応されているので安心です。

高齢者でなくても、身内や親しい人に不安がある方はまず連絡をとってみるとよいでしょう。

 

◆任意後見制度を利用すること

加齢と共に正常な判断が出来なくなるのは普通のことですが、財産管理も自分では出来ると思っていても不備が出てきます。

そうなる前に、財産管理や自身のケアを任せたい時の為に「任意後見制度」というものがありますので、利用されると良いでしょう。

この制度は、高齢者本人の判断能力が落ちた時、任意後見人となる受任者が家庭裁判署に後見開始の申し立てを行ってから任意後見人となり、高齢者の財産を適切に管理することで、貧困や詐欺、悪徳商法などから守ることができるのです。

 

◆事前に葬儀を準備しておくこと

自分の死後、どのような葬儀にしたいか、生前に葬儀社へ相談し契約をしておきますと、料金は弁護士や信託会社が管理するという形になります。

また、菩提寺がある場合には、住職に生前の葬儀契約のことを伝え、納骨して頂けるようにお願いしておけば、滞りなく葬儀が行われる事でしょう。

 

◆生前整理をしておくこと

身寄りの無い方がしておきたい事の1つに生前整理があります、本当に必要な物以外は思い切って断捨離をしておくと安心ですね。

不要な物が多い場合などは、専門の業者に頼むことも出来ますし、土地や家など財産に関する生前整理は、税理士や行政書士に相談しましょう。

 

◆エンディングノートと遺書の作成

終活の一環としてエンディングノートに自分の希望を書き込む方も増えていますが、法的な効力はありませんので、それとは別に遺言書の作成をしておくことをお勧めします。

遺言書は財産分与等について、法的手続きに則って遺言者の希望で作られた書類を言いますが、独り身の場合には相続人が居ない事も多いので不要にも思えますが、死後、身辺整理をして頂ける方の負担を減らす事に繋がりますので、希望や依頼内容を書いておきましょう。

 

自分の死後、周囲の人に迷惑を掛けたくない、自分自身心配したくないという方は、是非上記したことを検討して実行してみてはいかがでしょう。