葬儀の後の事後報告

最近、「家族葬」で行う方が大変多いですが、その場合、参列していただく方のみへの訃報連絡となってしまうのが一般的です。そのため、葬儀に参列して頂かなかった方に対しては、事後の報告となってしまう場合が多くあります。

ここでは、「葬儀の後の事後報告」について、ご紹介します。

事後報告の時期

一般的には、葬儀の後、3日後から2週間以内までを目安として報告しましょう。また、四十九日法要を区切りとして、四十九日法要を終えてから事後報告を行う場合もあります。

ただ、付き合いの深い方は、できるだけ早い時期に連絡を行うようにしましょう。一方、年賀状のやり取りをしているだけなどの関係性の場合は、喪中ハガキの送付をもって事後報告とする場合もあります。

連絡方法

直接お会いして報告するのが、最も丁寧です。

一般的には、電話で行うのが確実で、手紙かハガキでの報告手段もあります。メールやSNSでの報告は、普段からメールやSNSで連絡を取り合っているような、親しい間柄のみにしましょう。

事後報告する相手

故人がお世話になっていた方

ご友人など、生前に故人がお世話になっていた方に対しては、御礼を含めて故人の逝去と葬儀を行ったことについて、事後報告の連絡を行いましょう。

故人が療養中だった場合、お見舞いを頂いた方

故人の入院中にお見舞いに来てくださった方や、お見舞いの品物を送ってくださった方に対して、感謝の気持ちを伝えるとともに故人の逝去と葬儀を行ったことの事後報告を行いましょう。

ご遺族が親しくしている方

ご友人や近所の方などで、特に親しくしている方には、必要な場合、事後報告を行います。特に、故人を気遣ってくれた方などには、故人の逝去をお伝えしておきましょう。

事後報告を行う際、おさえておくべきポイント

◆事後報告であることのお詫びをしっかり伝えましょう。

◆故人の生前に受けた厚意についての感謝を伝えましょう。

◆弔問や香典を辞退する場合、その意向を明確に伝えましょう。

具体的な内容

◆誰がいつ逝去したのか

◆生前に故人が、お世話になったことへのお礼

◆葬儀が滞りなく済んだ旨の報告

◆訃報が遅くなってしまったことのお詫び

※香典などを辞退する場合は、その意向

電話の場合の文例

「お世話になっております。わたくし、○○(故人の名前)の△△(故人との続柄)で□□(自分の名前)と申します。

突然ではございますが、◇◇(亡くなった日にち)に○○が亡くなりました。一昨日、近親者のみで葬儀を済ませたところでございます。

生前、大変お世話になったにもかかわらず、このような形のご連絡となり、大変申し訳ありません。○○が亡くなったこと、また、感謝の気持ちをお伝えしなければならないと、お電話致しました。」

手紙の場合

頭語や時節の挨拶は必要ありません。また、相手に敬意を示すため、句読点は使用しません。

まずは、故人の氏名、逝去の事実や葬儀が無事に終わった旨を伝えます。

そして、香典や供花を辞退する旨や、連絡が遅くなったことへのお詫び、故人の生前に受けた厚意についての感謝を、簡潔に伝えます。最後に、喪主の住所と名前を書きましょう。

色々と落ち着かない時期だとは思いますが、できるだけ早く事後報告はするようにしましょう。

会葬礼状について

忙しい時間を割いて、お通夜やご葬儀に訪れて頂いた方へのお礼として、受付などで「会葬礼状」をお渡しするのが一般的です。ここでは、「会葬礼状」について、ご紹介します。

「会葬礼状」とは

お通夜やご葬儀に参列してくださった方へのお礼状のことです。お通夜、またはご葬儀に出席することを「会葬」と呼ぶため、このお礼状を「会葬礼状」といいます。

お渡しするタイミング

本来、会葬者に後日改めて送るものでした。しかし、現在では一般的にお通夜やご葬儀の当日に、受付か、式場出口でお渡しします。お渡しするのは、お焼香のタイミングや、お帰りの時など、どのタイミングでも構いませんが、参列していただいた方に渡せなかったということにはならないように注意しましょう。

一般的に、会葬礼状はお清めの塩や粗供養品(ハンカチ、椎茸、お茶、海苔、タオル等)を添えてお渡します。近年増えている香典の即返しの場合、香典返しの挨拶状とは別に会葬礼状の用意は必要です。

※香典返しの挨拶状とは?

忌が明けた後に、香典返しに添えて送る挨拶状です。

お香典への御礼の言葉、故人の名前や喪主の名前、四十九日の法要を無事終えたことを報告します。その後、本来であれば手渡しで渡すのが礼儀であること、略儀でお礼を述べることへのお詫びなどを書きます。最後に、差出人の差出人(=喪主)の名前を書くのが一般的です。

お渡しする方

香典の有無に関わらず、会葬して頂いた方全員にお渡しするため、参列予定者よりも多めに用意しておくのがおすすめです。

また、弔電や供花を贈っていただいた方に対しても、葬儀を終えてからなるべく早い段階で会葬礼状をお送ります。

葬儀が終わった後、弔問して頂いた場合も、弔問に対する感謝の気持ちとして、会葬礼状をお渡しするようにしましょう。

家族葬などの小規模な葬儀の場合でも、一般的には会葬礼状を用意します。特に、故人の友人など家族や親族以外が葬儀に参列する場合は、会葬礼状を用意しておくのがマナーです。完全に家族や親族のみの場合は、会葬礼状を用意しない場合もあります。

会葬礼状の作成方法

基本的に、最近の葬儀プランには、会葬礼状が含まれている事が多いため、わざわざ依頼する必要はありません。

ただし、オリジナルの会葬礼状にしたい場合は、会葬礼状作成を専門とする業者に依頼する方法や、自分で文章を作成して印刷する方法もあります。

「お礼状」を専門に扱う業者は、専門のライターが、インタビューなどを行い、オリジナルの心のこもったお礼状を作成してくれます。

最近は、写真やメッセージなどを組み込んだ、オリジナルのものを自分で作成する方が増えてきているようです。ただし、自分で作成する場合は、「会葬礼状」を作成する上のマナーなどが色々あるため、注意しましょう。

心のこもったオリジナルの「会葬礼状」で、お通夜やご葬儀へ御参列いただいた心遣いに対して感謝を伝えることができるといいですね。