葬儀には欠かせない遺体を入れる棺は、使われている素材や表面の彫刻の有無・木棺や布張棺など、種類によっても値段が異なります。
一般的に棺は故人の家族が用意するのではなく、葬儀社の葬式セットや葬儀プランなどに棺の代金も含まれている事が多いです。
その為、棺の種類を選択するだけで済まされる事が多いですが、棺の適正な値段を知らなかったために想像以上に高い金額になってしまったというケースもあります。
後々トラブルに繋がってしまう事のないよう、棺についてお話ししたいと思います。
【棺とは】
棺とは、遺体を納める木製の箱のことを言います。
現在の日本では、棺に納めることなく火葬は出来ないとされているので、必ず棺に納める必要があります。
棺の種類は様々で、布で表面を覆ったものや、彫刻を施したものなどもあり、ご遺体との対面がしやすいよう、ふたの半分が透明になっているタイプのものもあります。
近年では、環境問題への意識の高まりから、段ボール製の棺や間伐採を用いた棺なども見られるようになりました。
棺には「棺」・「柩」と2つの漢字がありますが、何も入っていない状態を「棺」と表しており、ご遺体が納められた状態を「柩」と表記されます。
【棺の種類】
遺体を入れる棺は、火葬をする前提に作られている為、使用する材質は全て天然の木材や合板材などの燃えやすい材質で作られています。
・天然木棺
檜(ヒノキ)や桐などの天然木を素材とする棺です。
表面に彫刻が施される面が多いほど、金額が高くなります。
天然木棺(彫刻なし)の一般的な値段は2万円~10万円・天然木棺(彫刻あり)5万円~40万円といわれています。
・布張棺
ベニヤ板などの上に布を張った棺です。
無地の布からビロードの布などベニヤに張る布の種類によって値段が異なります。
近年では、伝統のある絹織物を使用した布張棺も見られるようになってきました。
布張棺(無地または布地なし)の一般的な値段は2万円~10万円・布張棺(ビロードまたは絹織物)10.万円~40万円といわれています。
・キリスト教の棺
日本ではベニヤ板の上に黒い布や紫布を張った棺が一般的ですが、使う布地によって値段が異なります。
布張棺(無地または布地なり)の一般的な値段は3万円~18万円・布張棺(絹織物)15万円から40万円といわれています。
【棺の選び方】
一般的に棺を選ぶ際は、葬儀社との打ち合わせで決定していきますが、その際にまず確認される事は故人の身長と体重です。
これらの情報は、棺のサイズを決めるにあたり最も必要なものとなり、サイズ・形・材質などを決定していく必要があります。
棺を選ぶ流れは次の通りです。
①棺のサイズを決める
一般的に、棺の基本サイズは6尺(180㎝)とされていますが、故人の身長によって変わってきます。
死後硬直により足の指先まで伸びてしまう為、身長+10~15㎝のものが望ましいです。
②棺の種類を決める
天然木棺・布張棺など、棺の種類、彫刻の有無などを決めていきます。
③棺の形状を決める
形状は宗教・宗派によって決められている事があるので、事前に確認しておくと安心です。
また、地域によっては風習やしきたりがある場合があるので、付き合いが親密な地域にお住いの場合はご近所の意見を聞いておくと良いでしょう。
・箱型:蓋部分は平らで、長方形の形状。「キャスケット型」「平棺(ひらかん」とも呼ばれます。
・山型:蓋部分が台形に盛り上がっている形状。
・船型:頭部が広く、足元が狭くなっている形状。「コフィン型」とも呼ばれます。
・かまぼこ型:蓋の上部が曲線を描く形状。「アール型」とも呼ばれます。
・インロー型:蓋の緑の部分が印籠のようにはめ込み式になっている形状。
④棺の値段が決定します
サイズ・種類・形状を決定していくと値段が決定します。
後々のトラブルを防ぐためにも、疑問等があったら葬儀社にきちんと確認しておくと安心でしょう。