祭壇にかかる費用や種類とは

葬儀費用のうち、大部分を占めているものに祭壇費用があります。

祭壇の費用は30~120万円と価格の幅が広いのですが、祭壇費用には祭壇レンタル費用・人件費・諸経費などが含まれています。

気になる祭壇費用の内容や種類はどんなものがあるのか、ご紹介していきたいと思います。

祭壇の種類や費用

宗教などにより、大きく分けて6種類の祭壇があり、同じ種類でも大きさやランクによって料金が異なります。

 

白木祭壇

一般的な仏式の葬儀で使用される祭壇です。

白木とは、樹皮を剥いで塗装などの表面処理をしていない状態の木をさし、風格とぬくもりを感じさせる素材で、日本の伝統的な祭壇と言えるでしょう。

葬儀場の備品として常備されていることが多く、利用する場合はレンタル料金を支払う形になります。

袖部分などの仕様を変更することができたり、様々な宗教宗派、地域性に対応できることも容易です。

参考費用は、10~120万円となり、祭壇の規模が大きいほど費用は高くなります。

 

 神式祭壇

神道式の葬儀で使われる祭壇です。

素材には白木を使用することが多く、祭壇には三種の神器と呼ばれる鏡、刀、勾玉を飾り、神饌と呼ばれるお供え物を並べる特徴があります。

参考費用は約30万円から、規模の大きさと費用は比例します。

 

キリスト教式祭壇

キリスト教の葬儀で使用され、式場だけでなく、教会でも葬儀が執り行われます。

式場でキリスト教式の葬儀を行う場合には、十字架を掲げ、燭台のろうそくに火を灯し、生花で飾りつけを行います。

参考費用は約30万円からですが、教会を使用すると費用は抑えられるでしょう。

 

生花祭壇

花祭壇なので、宗教宗派に関係なく使用可能です。

以前は、菊の花がメインの祭壇が主流でしたが、最近では故人が好んでいた花を用いたり、様々な種類の花を使用することが多く自由にデザインする方も増えていて、一般葬や家族葬でも人気が高まっています。

著名人の葬儀のような豪華で大きな祭壇をイメージされたり、生花で作ると費用が高額になるかもと心配されるかと思いますが、花の種類や飾り方によって費用を抑えることができます。

ただし、生花ですので季節や天候により仕入れが変わり、費用も上下しますので注意が必要です。

参考費用は約30万円から。

 

造花祭壇

生花祭壇と同様に宗教宗派に関係なく使用可能です。

生花ではない造花を飾った祭壇なので、季節などに左右されずに花を選び飾れ、自由度の高い祭壇を作れます、生花と組み合わせて作ることも可能です。生花のみの祭壇よりか費用を抑えられます。

参考費用は約20万円から。

 

オーダーメイド祭壇

宗教宗派は関係なく、形式的なデザインがないため、小規模なお葬式に合わせてサイズ変更も可能なため、家族葬にも適しています。

また、オーダーメイドをすることで自由にデザインでき、故人を想う華やかな祭壇にできたりとアレンジが自在です。

参考費用は数万円~数十万円です、自由度が高い分、費用も高くなる傾向があるので、予算を考慮して依頼しましょう。

 

その他かかる費用とは

 

・ 棺‥基本的には木製ですが、種類も豊富で、桐等の天然木材製、合板製、布場りや組立式など、使う木材によって料金が異なります。

一般的には合板製の棺が最も多く3~15万円、天然木材ですと100万円以上する事もあります。

 

・安置料‥ご遺体を適切な場所に保管し、葬儀・火葬を実施するまでの間、安置します。

葬儀場などの施設で安置する場合は、1日1,000円〜2万円となりますが、利用施設により変わります、また自宅で安置する場合には、ドライアイス代が1日約1万円ほどかかります。

 

・骨壷・骨箱‥遺骨を入れる壺を骨壺といい、それを入れる箱を骨箱と呼びますが、お墓に納骨するまでの間は自宅で保管します。

価格は各々1~5万円が相場ですが、大きさや材質によって異なります。

 

・ 枕飾り壇‥通夜までの間に、簡易的な礼拝のため設置される祭壇で、仏式の葬儀の場合には香炉や仏具が含まれることもあるため、他の宗教より費用がかさみます。

価格は1~3万円が相場になりますが、キリスト教など宗教により様式や金額も変わります。

 

・ 遺影‥故人が生前に撮影したスナップ写真などから選び、額縁などにいれて遺影写真として飾りますが、葬儀社に加工をお願いすることが多いです。

最近では終活の一環として、生前に写真館などで撮影し、自身で選んでおかれる方も増えています。

価格は、加工代や額代で2~3万円が相場です。

 

・ 位牌‥故人の戒名や没年月日が記された木の札を位牌といい、四十九日法要までに用意し、開眼法要で魂を入れ仏壇へ安置します。

位牌にも数種類あり、費用も安い物ですと1,000円~ありますが、長期間使用しますので質の良いものを選びましょう。

価格は、戒名の彫刻料金も含めて2万円程度が相場です。

 

まとめ

祭壇費用には祭壇だけでなく様々な費用が含まれていることがわかりました、どうしても悲しみの場になってしまう葬儀ですが、故人の最後の儀式で使う祭壇が素敵なものであれば、葬儀の雰囲気を癒してくれるのではないでしょうか。

 

通夜・葬儀で飾られる枕花や供花について

祭壇の脇に飾られる花を何て言うのだろう?と思ったことはありませんか。

通夜や葬儀で飾られる花にはそれぞれ名前や意味があります。

故人の臨終から通夜の間に、故人の枕元を飾る花を“枕花(まくらばな)”と呼び、通夜で飾られる花の多くは“供花(きょうか)”と呼ばれています。

今回はそんな枕花や供花について、お話ししてみたいと思います。

枕花・供花、それぞれ意味や送り方

 

枕花

故人の臨終から通夜の間、故人の枕元を飾る花をそう呼びます。

親族や生前に故人と親しかった人だけが送ることができますが、それは故人の枕元に寄り添うという意味を持つと考えられていることからです。

 

訃報を聞いてから依頼をしますが、早すぎる手配は死期を待っていたかのようで失礼にあたります。

少し時間を置いてから依頼するように、配慮しましょう。

 

相場は、5,000円∼2万円です。

故人の枕元に飾る花になりますので、小さめのサイズで控えめな花を使います。

 

供花

通夜や告別式の際、祭壇の脇に供物などと一緒に飾る花をそう呼びます。

故人や遺族への弔意を表す意味がありますが、葬儀場を華やかに装飾する目的もあります。

送りたいと思った人が誰でも送って良いのですが、遺族が供花を断られている場合もあります。

事前に連絡をいれて、許可を得たら依頼しましょう。

また、供花を送るには、一般的に通夜の開始時刻の数時間前までに到着するように手配するのがマナーです。

 

相場は、一基あたり7,500円~1万5,000円です。

供花は、一つを“一基”といいますが、一基がついになっているものを“一対(いっつい)”といい、以前は、一対の供花を送るのが習わしでしたが、現代では葬儀の規模が縮小されていますので、それに伴って一基を送ることが一般的です。

また、アレンジメントや使う花や季節によって値段が異なります。

予算に合わせた供花や、祭壇にあった彩りになるよう、葬儀社または花屋に相談されると無難でしょう。

尚、後日、遺族は供花に対するお返しをしなくてはなりません。

その為豪華過ぎる供花は気を使わせてしまいますから、注意しましょう。

 

マナーとは

親しい人や親族が亡くなられた時に送る供花ですが、気を付けるべきポイントがあります、故人とお別れをする場で失礼に当たらないよう、しっかりと手順を把握しておきましょう。

 

注意すべきポイント

・手配時刻

枕花…故人の訃報を聞いてから依頼し、通夜までの間に飾れるように手配します。

供花…通夜が開始する3時間前までに間に合う様に依頼します。

 

・宗教別

信仰している宗教によって、葬儀に飾る花に決まりがあります、間違った花を送ることは失礼にあたりますから、事前に把握して手配しましょう、また遺族が特に宗教上のマナーを重んじてない場合には故人の好きだった花などを送っても構いません。

 

依頼する手順

1.遺族に許可を取る

最近は家族葬が多いので、その場合は供花を辞退される事も多いのです。

まずは遺族に連絡し、花を送ってもいいか許可を取りましょう。

臨終後、悲しみの中にいるご遺族に連絡をするのは気が引けるかと思いますが、許可を得ることは非常に重要です。

尚、その際に、斎場や葬儀社を聞くようにしましょう。

 

2・葬儀社へ連絡

葬儀社に連絡を取り、枕花・供花を依頼しましょう。

葬儀会場と提携していない花屋へ注文してしまった場合に受け付けされないこともありますので、気を付けましょう。

また、葬儀を取り仕切っている葬儀社へ連絡をすることで、会場の雰囲気に合う花や、飾るアレンジメントの大きさ、葬儀の宗教形式を教えて貰うこともできます。

 

3. 花屋へ連絡

葬儀社で教えて貰った情報から、花のの種類やサイズ、宗教などを伝え、予算や故人の好きだった花を加えて貰いたい等の自身の希望も伝えると、理想に近いアレンジメントに仕上がるでしょう。

注意すべきポイントにもあげましたが、供花は、通夜が開始する数時間前までに到着していないと、会場に飾るのに間に合いません、その時刻に間に合うかどうか必ず確認を取りましょう。

(一般的には、通夜の1日前から当日午前中までに注文をすれば、間に合うケースがほとんどです。)

 

まとめ

親交のあった方とのお別れは悲しいものですが、枕花は故人の冥福を祈って送るもので、供花は故人や遺族を慰めるものになります。

お花をおくることで故人への敬意を、感謝を伝えてみてはいかがでしょうか。ご参考なさってください。