急に喪主をつとめることになった時にするべき手続きとは

ご家族がお亡くなりになる時は突然に訪れます。

一般的にはその翌日にお通夜、その次の日に告別式を行う流れになるのですが、それ以外に役所に提出しなければならない書類や、供養のために手配しなければならないお寺、香典返しといったものも数多くあります。

 

順番を間違えると銀行の口座が凍結されてしまい、葬儀の費用や相続の面で準備が進められなくなることもありますので、同時進行で行わなければならない内容について知識を持っておくと安心です。

 

大切な人がお亡くなりになった時にするべきこととは

葬儀会社とお寺に連絡をしてお葬式を行う手配をする

葬儀会社については、故人が互助会に入っていたり早期に申込をされていたりすることがあります。

それがどこの葬儀会社なのかをまず突き止めて、亡くなられたご連絡をします。

同時にその連絡の段階でお通夜や告別式の日が決まるため、菩提寺へも連絡をして僧侶の手配をしておきます。

 

(菩提寺がわからない時は、親族でどなたか先祖代々のことに詳しい方に聞いてみると宗派やお寺のことがわかるでしょう。

お墓などの所在もわからず決まった菩提寺もない場合は、葬儀会社に相談するとお寺や僧侶も紹介してもらえます。)

 

葬儀を行う場所、日程、僧侶の手配が済みましたら葬儀会社に支払う準備をします。

最近では香典返しをお通夜・告別式当日にお渡しするのが一般的ですので、精進落としの食事の準備と香典返しの手配をします。

 

役所への届け出とカードや免許証、公共料金の変更手続きを行う

死亡届(死後7日以内)を提出し、そこで火葬許可申請書より手続きをして、火葬許可証を受け取ります。

この一連の流れを同時に行うには、役所が開いている時間帯に行かなければなりません。

死亡届には死亡診断書がセットですので、医療機関で医師に記入してもらう必要があります。

 

  • この後の年金や生命保険の諸手続きに死亡届のコピーの提出義務があります。

3~5部はコピーして保管するようにしましょう。

 

健康保険証を死後4日以内に返却します

年金の受給を停止する手続きを死後14日以内に行います。

世帯主変更届を死後14日以内に提出します。

 

パスポート、運転免許証、各種施設の会員カードを返却します。

※年会費や月々の支払が発生するようなものに入会している際は、退会の理由を説明し支払いの有無なども確認しましょう。

 

相続の準備をする

役所に死亡届を提出すると自動的に銀行に連絡が入って口座が凍結されると思われているようですが、親族からの申し出がない限り勝手に口座を凍結させることはありません。

しかし、申し出てしまうと相続の内訳が確定するまでは凍結されてしまうので、葬儀の費用を口座から支払う想定をしている場合は申し出るタイミングについて葬儀会社やお寺との兼ね合いを考えた方が良いでしょう。

 

他にも、携帯電話や公共料金の引き落とし等が故人の口座から切り替わるまでにタイムラグがあり、その引き落とし口座が凍結していると支払いが止まってしまいます。

各種の手続きが済み全ての支払いが終わった後から申し出ても遅くはありません。

 

相続が決まった後は、金融機関で必要な書類を提出して払い戻しを受けることになります。

 

ご家族がお亡くなりになった悲しみの中で

病院で闘病生活の末に亡くなられた時も、ご自宅で亡くなられた時も、もしご高齢だったとしても、やはりご家族が亡くなるのはどこか信じられない気持ちがいつまでも残ります。

 

そのような心情の中で進めなければならない手続きや手配または連絡を、亡くなられた1週間ほどの間に進めなければなりません。

葬儀会社で代行できることもありますし、生前からお世話になっている弁護士・行政書士に聞いても順序立てて説明してもらえるはずです。

また銀行口座やカード会社、電気・水道光熱費等の手続きも、まずは役所への死亡届からです。

遺言書があると故人から聞いている場合は、あらかじめその保管場所について確認しておいた方がご意思を尊重して差し上げられるでしょう。

 

 

身寄りのない人の葬儀について②

高齢化社会が進む中、一人暮らしの高齢者は近年増加傾向にあるそうです。また、生涯独身の方や家族や親戚と疎遠となっている方なども増えている現代社会。こうした身寄りのない方が亡くなった場合、葬儀や納骨、お墓、費用などはどうなるのでしょうか。

今回は身寄りのない人が亡くなった場合の葬儀や流れについて紹介します。

納骨について

身寄りがない場合、遺骨や遺品や自治体が管理します。管理する期間は各自治体によって異なりますが、5年程度の保管期間が設けられ、これを過ぎると遺骨は無縁墓に埋葬されます。

無縁墓とは身寄りのない人の遺骨がまとめて埋葬されているお墓です。無縁墓に埋葬された後は、親族が来ても遺骨を取り出すことは二度とできなくなります。

 

生前に準備できること

身寄りはいないけど、無縁墓に入るのは…という方は、元気なうちに準備を進めておきましょう。生前に葬儀やお墓の準備をするのは、近年では珍しくないです。

・遺品や財産の処分方法を決めて、遺言書を作成する

身寄りのない人の財産のうち、葬儀費用充当分の残りは、国の物になります。お世話になった人や施設などへ寄付したい方は、遺言書を残しておきましょう。遺品整理業者との生前契約も可能です。

葬儀会社を選び、葬儀や埋葬方法を相談、決定しておく

生前のうちに本人が葬儀内容や埋葬方法を決めて、葬儀会社に生前契約をする方も増えています。演出や、参列者、遺骨の取り扱いなどを事前に伝えることができます。最近では永代供養や、樹木葬、散骨など様々な中から選択ができます。

・司法書士や行政書士へ死後事務委任契約を依頼する

死後事務委任契約を結ぶと、死後に必要な法的な手続きや遺品の整理などを第三者へ依頼することが可能です。司法書士、行政書士に依頼することが多いですが、友人を指定して依頼することもできます。

 

他にも、保険や銀行口座の情報や、遺産などがある場合はエンディングノートに記録しておくのも良いでしょう。

また、生活保護受給者の場合は、自己負担無しで葬儀を行うことができます。万が一に備えて、役所や専門機関に相談しておくと安心です。

 

まとめ

・身寄りのない人が亡くなった際は、戸籍をたどって親族を探し、遺体の引き取りや埋葬の依頼をする。葬儀を行える人がいない場合は、自治体が最低限の火葬、埋葬を行う

・葬儀の費用は、個人の財産から捻出される。葬儀費用が無い場合は、制度の利用も可能。財産の無い故人の火葬・埋葬を自治体が行う場合、費用は自治体が負担

・身寄りのない人の遺骨は、保管期間経過後、無縁墓へ合同埋葬される。無縁墓に納骨された後は、遺族でも遺骨は取り出せない

・身寄りがなく死後の葬儀等に心配がある人は、生前に葬儀や納骨の準備や相談、契約ができる