配偶者の死亡後に結婚前の姓へ戻す
配偶者が死亡すると、事実上婚姻関係は解消したと見なされます。
残された方の配偶者は、戸籍や姓をそのままにしても勿論問題ありませんが、結婚前の姓に戻すこともできます。そこで必要となるのが「復氏届」です。
結婚前の姓に戻すと、戸籍は元の戸籍に戻るか、もしくは筆頭者となって新しい戸籍を作ることもできます。
復氏届の手続きは、本籍地または在所地の市区町村役所で行うことになります。届け出に必要な書類は、復氏届、戸籍謄本、印鑑です。
姓を戻すのに、配偶者が死亡してから何ヵ月以内などの期限はありません。手続き自体は郵送でも可能ですが、この手続きで旧姓に戻すことができるのは配偶者のみで、その子供に関しては別の手続きが必要となります。
新しく戸籍を作る
復氏届には、復氏後の本籍を明記する欄があります。「もとの戸籍に戻る」という項目を選ぶと、自動的に結婚する前の戸籍に戻りますが、「新しい戸籍をつくる」という項目を選ぶと、本籍地も自由に選ぶことができるようになります。
新しい戸籍を作っても、法律上は親子の関係には何も影響はありません。遺産相続をする上でも、新しい戸籍に変わる前と権利は同等にあります。これは、親の扶養義務が残る場合にも該当し、実家の親族だけでなく、亡くなった配偶者の親族に対しても同様のことが言えます。
一度復氏をしてしまうと、二度と結婚していた戸籍には戻ることができませんので、手続きをする際は十分に考えてから行うようにしましょう。
婚姻関係終了届
配偶者の死亡により婚姻関係が解消されても、配偶者の親族すなわち姻族関係は残ることになります。例えば、夫に先立たれた妻の立場の場合、義理の父母との縁は切れることなく扶養の義務があるということを意味します。復氏届により姓を戻しても、その関係は続くのです。
そこで、姻族の関係を解消したい場合には「姻族関係終了届」というものを提出します。届け出の際には義理の父母の承諾や同意書などの必要はなく、妻一人の希望により手続きを進めることが可能です。
届け出は、住所のある市区町村役場または本籍地の役場の戸籍課にて手続きを行います。
必要な書類は、姻族関係終了届、戸籍謄本、印鑑です。この手続きにより旧姓に戻さなくてはならないという義務もありませんので、姻族関係のみを解消して、結婚中に使用していた姓や戸籍を使い続けることもできます。
姻族関係解消と子供の関係
夫に先立たれた妻が姻族関係を終了しても、その間にいる子供には影響がありません。
義父母との関係がなくなるのは妻だけであり、義父母から見て孫にあたるその子供は祖父母と孫の関係のままという意味です。
相続の面から考えると、姻族関係終了届を出した後に祖父母が亡くなった場合でも、孫は法定相続人としての権利は変わりません。
配偶者の妻の立場から見ると、姻族関係にあってもなくてもそもそ義父母の遺産相続の法定相続人には該当していませんので、扶養の義務はあっても相続の権利はない間柄と言えるのです。
子供の姓も変えるには
復氏届により親の姓が変わっても、子供の戸籍はそのまま残るために子供の姓も変わりません。子供と親の姓を同じものにするためには、市区町村の役場の管轄ではなく家庭裁判所へ「子の氏変更許可申立書」という書類を提出しなければならないのです。
申し立てに必要となるのは、子の戸籍謄本、父・母それぞれの戸籍謄本、申立人の印鑑です。
子が15歳以上であれば本人が申し立てを行い、15歳未満の場合は法定代理人が申し立てをすることになります。
家庭裁判所の許可審判がおり次第、「許可審判書」を添えて親の本籍地か住所のある市区町村の役場に入籍届を提出し、親と同じ戸籍・姓への変更が完了する流れとなります。
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