今、英語圏で話題になっている「スウェーデン式『死のお片付け』(Death Cleaning)」というのがあります。
これは、スウェーデン人のアーティスト=マーガレット・マグネソンさんが書いた本(出版は来年の1月)がもととなり、英語圏を中心にメディアで多く取り上げられています。
『死のお片付け』というと不吉なイメージを持たれる方もいるかも知れませんが、その意味は、「死を見つめて行う片付け」です。
「自分の死後、この品物をとっておいて誰かが喜んでくれるであろうか。」という視点にたって故人になる前に、生前に自分で行う日本でいう「生前整理」に近い考え方の「片付け」です。
自分の死後を想像しながら、遺族が遺品整理をする時に負担になりそうなものを取り除いて、残すものを厳選していくのです。
その考え方は、自分の死後に残された遺族への思いやりや愛情の表れであると言えます。
日本の遺品整理業者も勧める「生前整理」
遺族が故人を失った悲しみの中で、無気力になったり、引きこもってしまったりして、何も手につかない状態になることはよくあることです。
それだけ悲しみが大きく心を支配している状態と言えます。
そして、故人の遺品を整理しようとしても、どれもこれも故人の思い出がよみがえり、そして、どんな些細な物でも、「これは故人にとってとても大切な物だったのではないか。」と思い、捨てられなくなってしまう傾向があります。
そういった今後残される遺族への思いやりから、「これはとっておいた方がいいだろう。」「これは捨てておいた方がいいかもしれない。」等、自分が生きているうちに、ある程度整理していくことが、『死のお片付け』です。
家族を想う気持ちは、各国共通、人類共通の思いということなのでしょうね。
スウェーデン式「死のお片付け」のポイント
「死のお片付け」のポイントは、やはり、「これをとっておいたら、遺族の誰かが喜んでくれるものなのかどうか」という視点です。
その判断はなかなか時間を要するものもあるため、手近に始められる、まずは洋服からスタートすると良いと言っています。
それは、洋服は、サイズの違い等から、あまり人に譲れる場合も少なく、しかももらって喜ぶとは限らないものだからです。
本人は気に入って何度も来て着古していて、捨てがたいお気に入りの洋服でも、着る事のできる肉体があればこそのことですから、故人となってしまえばいらなくなるものです。
こういった、生きている時はそれなりに使用するけれど、死後は処分してくださいというものを、何らかの形で、印をつけ、まとめておくのです。
箱にまとめて入れるやり方がもっとも手っ取り早いやり方ですが、その箱に入っているものは、生きている間は必要ですが、死んでしまった後は必要でなくなるので中味を見ずに捨てて下さいという方法です。
そういう箱を用意して、「死後には処分」という札を貼っておくのです。
その箱に入れるものとして、いろいろなものが考えられます。洋服もそう。靴。靴こそその人の歩き方によって踵が磨り減っており、他の人には不必要なものです。
(洋服は、一部古着でも価値のあるものもありますので、注意が必要ですが。)他界する寸前まで人生を共にした配偶者ではない、若いころの恋人の写真や手紙、メモ書き、趣味で集めたけれど、値段のつかないようなガラクタの物等。
資産価値のありそうな、高価なものは、死後処分箱には入れません。つまり、資産価値のありそうな物は遺族の何等かの役に立つかもしれないので残し、遺族の知らない頃の自分だけの思い出は、自分の死後に処分してもらうのです。
このような大まかな二つの分け方をしてあるだけでも、遺族の負担は減るでしょう。
いずれにしても、家族を想う気持ちは、世界共通なのですね。
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